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かじか橋と対岸の沢山不動=南房総市上滝田

[第9回]棒滝(南房総市上滝田)

ひさしのある特徴的な滝

房州滝めぐりは、半島南部の山間部・三芳地区に移る。房州最大の滝とされる、坊滝を代表格に、三芳地区は滝が多い場所として知られる。旧村名に「滝田」があるほどだから、滝はあちこちに点在するのである。

そんな三芳地区からは、代表的な滝をいくつか取り上げたい。

棒滝は、坊滝と混同しやすいが、坊滝は増間の名瀑、棒滝は上滝田の沢山不動近くの懸垂型の滝である。棒のように流れ落ちるゆえの命名だろう。

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09年9月7日 12,194
海食崖に落ちる大房不動滝=南房総市富浦町多田良

[第12回]大房不動滝(南房総市富浦町多田良)

公園の岬にある人工滝

「自然の滝」として、この滝を本連載で取り上げるかどうか、遅疑逡巡した。国土地理院が滝の定義を「流水が急激に落下する場所」としているのは、7月26日付「B宮田の滝」で記載したとおり。そういう意味では、この滝も流水が急激に落下しているのだが、流れのほぼ100%が人工なのだ。ことごとく人の手が入り、自然の滝ではない。が、古い信仰も息づく滝なので、富浦地区代表として寂名瀑の一角に滑り込ませたい。

大正15年の安房郡誌はこの滝を「大武崎滝(たいぶさたき)」として取り上げている。かつては滝近くに滝淵山竜善院という寺院が置かれたことを思うと、不動滝として立派な信仰の対象だったのだ。

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09年9月28日 11,076
房州で一番有名な坊滝の姿

[第11回] 増間七滝・坊滝(南房総市増間)

房州最大で最有名の滝

房州で一番有名な滝といえば、この坊滝だろう。増間七滝の主滝をなす、房州最大の滝でもある。平成3年の一連の整備で、下流の前惣引きの滝から坊滝まで、一部に擬木の階段が取り付けられ、七滝のうち3滝は比較的安全に見物できる。林道沿いに歩けることも、有名になった要因である。

クルマは大日山登山口にあたる、公共駐車場に置く。増間ダム下で、公衆トイレもあるので、女性でも安心だ。

林道増間線はクルマも走れるが、路肩が弱いので遠慮したほうがいい。何より、歩いて巡るほうが健康的だ。ハイキングがてら滝を訪ねるのも楽しい。健脚派ならそのまま大日山(標高333・3b)まで足を伸ばしても楽しい。

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09年9月19日 13,789
飛まつを上げて落下する伊戸の滝

[第13回] 伊戸の滝(館山市伊戸)

人を近寄せない豪快な滝

遠くから見る滝と、瀑布の真下で見る滝は、まるで別ものである。そばに近寄り難い地形も多々あるが、本連載ではなるべく滝下まで歩くことを原則としている。

この滝は、平砂浦を走るフラワーライン(県道南安房公園線)からも確認できる。滝の南側にあるリゾートホテルからは、もっと視認性がよいのではないか。農地に近い山肌の樹木の切れ目に白い飛まつが流れる。もっとも上流に伊戸堰があるので、落水するのはある程度の雨の後に限られる。

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09年10月3日 11,316
切り立った渓谷を滝へ遡行する=館山市畑

[第15回]どうめの滝(館山市畑)

新幹線岩″ロ立つ奇滝

館山市と旧白浜町・旧千倉町の境である、房州南部の丘陵部は複雑な地形をなし、水豊かな地帯である。この山地は分水嶺でもあり、館山湾側は汐入川の源流部、太平洋側は長尾川の源流部となる。川筋も複雑に入り組み、流れはいくつも分岐・合流する。

この地域に人知れず立派な滝があることを教えてくれたのは「三芳の滝人間」こと、川崎一さんである。川崎さんはすでに実測調査を終えており、現地案内も買って出てくれた。どうめの滝は、滝関連のホームページや書物にも扱われていない、知る人ぞ知る奇滝である。

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09年10月19日 16,806
小さいながらも美しいの御嶽神社の不動滝

[第14回] 御嶽神社の不動滝(館山市伊戸)

神社下に落ちる糸滝

伊戸の滝の東側、距離にして500bほど隣の山肌を落ちる滝である。洲崎方面からY字状の旧道を坂足方面に進むと、北側に歩行者が歩ける程度のコンクリート道がある。竹やぶがあって分かりずらいが、このコンクリート参道を進むと、正面に鳥居が出て、奥に御嶽神社が鎮座する。この滝は神社の左手裏側にあって、糸滝となって落下している。

神社周辺にクルマは置けないので、遠くても安全な場所に置くといいだろう。参道を歩くと、右手に水田があり、鳥居前を左に入る草の道がある。やぶが深いので注意して進むと、すぐに正面に小さいながらも、美しい糸滝が出る。

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09年10月10日 9,849
豪快に落下する小滝涼源寺の滝

[第16回] 小滝涼源寺の滝(南房総市白浜町塩浦)

鍾乳洞わきを落ちる滝

インターネット上では、単に「涼源寺の滝」などと紹介されている美滝である。

近くにそのような寺はなく、不思議な名であるが、これは滝周辺の小字からとったものである。滝のすぐ右に県指定の天然記念物「白浜の鍾乳洞」がある。この周辺の小字を小滝涼源寺という。

増水時に出現する滝なので、地元では特に名前をつけて呼んでいるわけではない。地元の人に聞いたが「特に名はない」という声も多かった。小字を冠にした滝なので、本連載ではフルネームを採用したい。何より、滝の名に「小滝」が含まれるのがいい。

安全な場所にクルマを置き、塩浦地区の農地の中を歩き、山際へ詰める。白浜町教委(当時)の掲出した「白浜鍾乳洞入口」の看板に従って、巡視路のようなコンクリートの道を歩く。正面に天然記念物を示す看板があり、鉄柵が施されている。これが白浜鍾乳洞で、この左手に豪快な滝がある。

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09年10月24日 13,544
二股が合流する塩浦不動滝

[第17回] 塩浦不動滝★しおうらふどうだき★(南房総市白浜町白浜)

信仰の対象となる美滝

塩浦にはもうひとつ、立派な滝がある。比較的近くに存在するので、両滝が混同されやすいが、西側にあるのが小滝涼源寺の滝、東側が塩浦不動滝である。

クルマは入れないので、安全な場所にとめ、塩浦の国道沿いの浅間神社から白浜東部保育園方面へ歩く。左手に保育園を過ぎると、川止めの人工堰がある。この堰のある川を境川という。その先の民家を左に見て、農地の間を歩く。人しか歩けない細い道ながら、草刈り管理された立派な道である。

水量が多いときは、保育園からでも滝が視認できる。道を行けば、瀑音が響くので、音に案内されるように進む。

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09年10月31日 12,905
坊滝を思わせる美しい姿の釜淵の滝

[第22回] 釜淵の滝―かまぶちのたき―(南房総市山田)

消滅しておらず心打つ滝

インターネット上の情報は、玉石混交である。虚か実か。その判別はつきにくい。滝の記述も同様だ。林道工事で大破、ダムで埋没・破壊などの滝情報もある。平久里川上流の大谷川ダムに流れ込む沢の滝群も、ネット上では埋没したことになっている。が、実際に足を運べば、そこに複数の美滝が存在していた。

南房総市山田に生まれ、子どものころからこの上流で遊んだ、川名定夫さん(75)が、その秘滝を案内してくれた。林道はやぶだらけ、ザイルを使って20bも下るような危険な滝である。

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09年12月5日 10,857
岩肌を白く伝わる白間津の滝

[第18回] 白間津の滝・白間津不動滝(南房総市千倉町白間津)

小さな集落に並ぶ2滝

滝の定義は「河川にできた河床の段」。地形学の専門用語では、遷急点などという。岩を流れる川が、段差をつくる。これが滝である。河床は水で削られ、下流側に段差ができる。段差は歳月とともに削られ、滝は上流に移っていく。

われわれは、この時代にたまたま、そこにある川の段を滝として観察していることになる。

地形によっても滝の形成は異なる。房総半島南部の太平洋側は山がせり出していて、河川は急激にここを落ち込む。水量は少ないが滝のできる地形が多いのである。

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09年11月7日 12,770
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