企画・エッセイ » 記事概要一覧
豪快に落ちる第六天の滝左股の流れ

[第21回] 第六天滝(鴨川市東江見)

冬場に美しい男女滝

インターネット上には「大六天滝」の文字も見えるが、正しくは第六天滝だろう。「第六」の「天滝」ではなく、「第六天」の「滝」なのだ。広辞苑によれば第六天とは、多くの眷属(けんぞく=従者)を率いて仏道の妨げをなすことから、第六の魔王といわれる。他化自在天(たけじざいてん)ともいう。

滝の名にしては珍しいだろう。滝上の道端にそれらしい石宮がある。これが第六天を祀っていて、その下の滝ゆえに第六天滝か。

[ .. 全文表示へ ]

10年11月13日 6,400
二股に落ちていく鹿島滝

[第22回] 鹿嶋滝(かしまだき 鴨川市東江見)

二股で落ちる特徴的な滝

高さは8bほどの滝だが、最大の特徴は、流れが滝上で横になり、二股になって落ちていることだろう。正面から見ると、滝上がトヨ状の岩となり、水はいったん右に落ちてから左に流れ、岩肌中央部で二股になる。取材日は雨上がりで、豪快だった。左股は広がって落下、右股は懸垂型に落下する。

夏場の水量の少ないときは、ちょろちょろの滝だった。

第六天滝の上から車道を南へ進む。ここに九頭竜トンネルがあり、トンネル上には九頭竜様と稲荷様が祀られている。近くにはJR九頭竜様踏切もあり、地元の人の信仰が篤いことがわかる。滝の下流にある民家の人に聞いたところ、九頭竜ということもあり毎月9、19、29日に参拝者が訪れる。漁業関係者や水商売の人が多いという。

[ .. 全文表示へ ]

10年11月20日 6,396
雨上がりは豪快な姿を見せるタイの下の滝

[第23回] タイの下の滝(したのたき 鴨川市天面)

ミニ名瀑≠フ趣の滝

滝の世界は奥深く、ウェブサイトにはたくさんの滝紹介ページがある。それぞれが調査に入念で、趣も深い。そうした滝ファンは、房州の小さな滝にもアンテナが張られている。実に敏感なのである。

鴨川市曽呂地区から七曲トンネルを抜け、江見方面へ抜ける道がある。車道が天面に入ったあたりにある、小さな滝がタイの下の滝である。ほぼ無名の滝に近いが、タイの下は「滝の下」の意だろう。車道下から広がって落ちるミニ名瀑≠セ。この滝も、詳細に紹介するファンがいる。

[ .. 全文表示へ ]

10年11月27日 6,036
黒い岩肌を落ちる上段部分

[第29回] 一本松の滝(いっぽんまつのたき 鴨川市西)

2段構造の隠れた秘滝

一連の曽呂の滝群の中で、もっとも探索が難しかったのが、この滝である。地元の農家を訪ねて、所在地の概略を聞いた。「案内がいなければ、行けないよ」との忠告付きだった。滝はいわゆる無名で、小字は九本木。この農家の人は「滝の辺りを一本松と呼ぶ。昔は立派な松があったんだ」という。では一本松の滝ではどうだろう。

農家に教えてもらった辺りを探るが、川を遡るとやがて沢が消えてしまう。周囲は水田が広がるが、害獣の被害が多いのだろう。どの田も獣よけの柵がしてあって、痛々しい。

[ .. 全文表示へ ]

11年1月8日 6,570
険しい崖面を落ちる天面浅間滝=鴨川市天面

[第25回]天面浅間滝(あまづらせんげんだき)(鴨川市天面)

信仰篤い崖面の美滝

房総丘陵が太平洋に迫る鴨川市太海地区。国道128号は集落のぎりぎりを走り、そのすぐ下は怒涛の太平洋だ。太海小学校の西に垂直に切り立ったような崖が広がる。この山を天面浅間山という。浅間宮が祀られていて、この急激な斜面を滝が流れる。これが天面浅間滝である。

国道128号の房州大橋を過ぎ、天面漁港を右に見ると、国道はS字にカーブする。この正面に雨上がりに出る滝が、天面浅間滝。現在はやぶに覆われ、はっきりとその姿を見せないが、かつては大川の滝(南房総市千倉町)と同じように、雨上がりに豪快な姿を見せていた。

[ .. 全文表示へ ]

10年12月13日 7,273
末広がりに岩肌を落ちる堀の沢三段の滝

[第27回] 堀の沢三段の滝 (ほりのさわ さんだんのたき 鴨川市畑)

高鶴山西麓の雄大な滝

曽呂地区の農業用水のため池が、山口堰。高鶴山の西麓に位置し、その山名の由来となったツル(古語で水の意)の語源がこの水源だろう。高鶴山を南麓(東善寺)から登ると、沢沿いを下山することになるが、山頂から歩くと、この滝を見落とすことになりそう。山道から少し離れて存在しており、下山時は先にある堰に視線がいきがちだからだ。逆に堰側から登ると、この滝がすぐに目につく。

[ .. 全文表示へ ]

10年12月25日 6,855
岩肌を静かに落ちる元名猿口の滝

[第31回] 元名猿口の滝(もとなさるくちのたき 鴨川市細野)

水豊かな里の静寂滝

鴨川市細野は、アララギ派の歌人・古泉千樫の生誕地。「みんなみの嶺岡山のやくる火のこよひもあかく見えにけるかも」でおなじみの嶺岡山系の山懐である。小さな棚田が広がる純農村地帯で、近くには馬の背(標高306b)、嶺岡大塚山(同360b)があり、さらには二ツ山(同376b)もそびえる。

地元有志らによってここ数年、この里山に手が入る。いくつかのハイキングコースが設定され、あちこちに看板も整備されている。「里山ウオーキング細野元名コース」である。この静寂なる滝も最近、地元有志によってメジャー化に向かいつつある。

[ .. 全文表示へ ]

11年1月22日 9,084
白い絹のように美しく落ちる白絹の滝

[第30回] 白絹の滝 (しらぎぬのたき 鴨川市上小原)

文字通り白い絹の滝

旧主基村は、水豊かな農村地帯だ。その食味の優秀さから、長狭米のブランド名で知られる穀倉地帯である。地域の南側に位置する嶺岡山系の主峰をなす、嶺岡浅間(標高334・8b)付近を源流とし、上小原を通る川が「市井沢川」で、南小町との境で加茂川に注ぐ。この加茂川水系の支流源流部を堰き止めたのが、上小原堰である。

現在では、サテライト鴨川という競輪の場外車券売り場ができたので、そちらの方が有名だが、嶺岡浅間の入り口にあるのが、白滝不動教会である。修験道を基礎とした宗教施設で、この滝はその教会の南側の奥まった崖沿いにある。

[ .. 全文表示へ ]

11年1月15日 7,702
倒木は多いが美しい姿の仲根の滝

[第33回] 仲根の滝 (なかねのたき 鴨川市西町)

倒木の中に潜む美滝

鴨川市の東条地区を代表する滝である。仲根は滝の所在する小字。水系は亀田総合病院近くで太平洋に注ぐ夜長川である。

もうけ神社の上に、この滝はある。神社のわきを流れる三面コンクリートの小川を遡る。この流れが滝となっているのかと思うと少し心細い。本当にこの上流に滝があるのかと不安になるのである。

コンクリートの林道を歩く。少しきつい上りだが、山歩きを思えば、への河童である。

5分ほどで、瀑音が聞こえてくる。この下に滝があるのだ。例によって、川へ降りる場所がない。いずれも急傾斜ですんなりとは降りられないのだ。

[ .. 全文表示へ ]

11年2月5日 7,680
美しく広がって落ちる泉川滝

[第32回] 泉川滝(ぜんぜんたき 鴨川市粟斗・和泉)

房州では別格の巨大面滝

一昨年12月、本連載前編の滝の写真を集め、南房総市富浦町で写真展を開いた際、来場者が地図まで書いてていねいに教えてくれたのがこの滝である。鴨川市粟斗地区にある一軒宿の温泉「粟斗温泉」に程近い。

房州温名湯の下を流れる川が上待崎川で、滝はその中流域にある。川は熊野神社の下で大きく蛇行している。この蛇行場所に房州では珍しい大きな面滝がある。

面滝とは高さよりも幅のある、横長の滝を指す。水量の少ない房州の河川では懸谷型の縦長の滝が多く、こうやって川幅いっぱいに広がって落ちる滝は珍しいのだ。

[ .. 全文表示へ ]

11年1月29日 10,814
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved