企画・エッセイ » 記事概要一覧
石尊山の二等三角点

[第7回]黄和田畑へ

初日の終わり 迎える煙

石尊山は山頂に巨大な石尊権現のあることで知られる、房総東部の名峰だ。標高は347・6b。二等三角点(点名は「黄和田」)峰である。

その霊験あらたかな峰までには、まだアップダウンがある。最後のひと踏ん張りと、気合を入れ直す。

岩の下りが一行を待ち受ける。川崎さんがザイルを出し、下りをサポートしてくれる。本日、最大の難所である。

安全に下り終えると、その先が黄和田畑への分岐となる。国道465号への看板も出る。石尊山周辺は看板が良く整備されていて、ここまで来れば迷うこともない。が、朝9時から歩いているのだ。疲労困ぱいである。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月7日 6,246
林道が行き止まりになり山道へ

[第6回]石尊山の下へ

市原の最南端部を進む

処分場は大福山南側にある。ここから南に延びる林道があって、毎日相当数のダンプカーが走る。未舗装ながら路面は硬く締まり、歩くのには支障はない。が、時折やって来るダンプカーが砂塵を巻き上げるので閉口する。ダンプカーはハイカーを確認すると、そばを徐行してくれる。こちらも路肩によって通行を妨げない。お互いに気遣うことが大切なのだ。

林道はやがてアスファルトになり、空腹も極致になる。午後1時23分、景色のいい高台でようやく昼食となった。ダンプの切れ間を見て、遥か南にそびえる妙見山(清澄山)を見ながらの握り飯だ。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月6日 6,436

[第24回]浅間大神ピークへ

続く異例のハイペース

三郡山から先は、尾根を徐々に下るラインとなる。基本的に下りだが、いくつかのこぶもあるので、ここからが難関でもある。

林道は宇藤木大山(標高347・9b)の手前で、富津市豊岡方面へ下ってしまう。この林道を下った先が、富津市の小字・宇藤木である。山頂に宇藤木集落が建立した石宮があることから、地元山仲間は小字の名をとって宇藤木大山と呼ぶ。長狭街道から眺めても、立派な峰が確認できる。ピークは郡界尾根のやや北側にあるから、上総の山である。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月27日 6,463
県道の富津市・鴨川市境

[第27回]八丁山へ

郡界尾根とさようなら

木之根峠から先は、古道のような道が続き、道の両側に旧建設省のコンクリート杭が出ている。この細道が国有地の扱いなのだろう。地図上では富津市と鴨川市の境である。

古道を下りていく。雪が積もったアオキの赤い実がコントラストになって美しい。吐く息が白い。それほど気温も上がっていないのだ。

そのまま進むと、民家の庭前に出る。すでに廃屋で住む主はおらず、紅白の梅が寂しげに咲く。

農家からのコンクリート道を下って、県道88号に出る。ここが市境で、この峠の南側が鴨川市である。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月30日 6,465
東大演習林の入り口から山へ入る

[第8回]札郷へ

雪が歓迎 2日目のスタート

ジグザク尾根を歩く分水嶺の旅も、2日目。

冒頭、断っておくが、この石尊山から四方木までのルートのほとんどが、東京大学大学院農学生命科学研究科附属科学の森教育研究センター・千葉演習林(通称・東大演習林)の中にある。東大演習林は、純然たる教育研究施設であり、一般の立ち入りは許可制になっている。今回は新聞社として正式に立ち入り許可申請をし、特別な許可をもらって歩いた。貴重な植生があり、動植物が生息する森である。2日目の稿(GからKまで)は、その辺を十分考慮のうえ、読み進めていただきたい。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月8日 6,489
岩肌がむき出たロープの場所まで戻る

[第16回] 金山ダムへ

遭難回避 3日目終える

黒塚番所跡で、金山ダムバス停まで4・4`の表示。我々は、その先の鴨川有料道路近くまで行く予定だ。

鍋石への分岐には、明治時代の三石への石の標識も残る。このルートを日帰りするのは困難なはずだ。東条の人々は宿泊しながら、三石観音に参ったのだろう。

関東ふれあい道は、ここで金山ダム方面に下る。分水嶺歩き隊は、郡界尾根を西へ向かう。

ふれあい道ならば、こぶの上に設定されるであろう道も、ここから先はこぶを巻くように高低差をなくしている。さきほどまでの擬木の道が一般道なら、ここから先は高速道のような快適さである。その快適もやがて、迷い道に陥っていく。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月17日 6,495
津森山の尾根から西側を眺める

[第29回] 三境へ

変貌した津森山に驚く

記者(忍足)が津森山へ最初に登ったのは、2005年2月で、やはり川崎さんの案内でだった。

大崩から入る南側からの入山だったが、当時は眺望がきかない山だった。ピークは薄暗く、楽しいイメージは無かった。ところが、この変貌ぶりはどうだ。西の鋸南町側はもちろん、北の富津市側の眺め、東の鴨川市側、さらには南の三芳方面までよく見渡せる。一部に杉の木立が残るが、これだけ見えれば御の字だろう。地元の人たちが、協力して伐採したという。山の楽しみはやはり「眺め」。これなくしては登った甲斐もない。こうやって山頂が切り開かれたのも、地元の人たちのお陰なのだ。

[ .. 全文表示へ ]

10年5月3日 6,513
東大演習林・札郷作業所の入口

[第9回]吊り橋へ

短く美しい渓流コース

ここで東大演習林の概要を説明しよう。千葉演習林は、わが国最初の大学演習林として、清澄周辺の山林330fで創設された。1894年というから、日清戦争の年、明治27年のことだ。

その後、清澄北側の山林も加え、現在のエリアとなった。自生植物種は草本類が約800種に達し、貴重な植生もある。モミ・ツガの天然林は特に貴重な存在だ。こうした森林保護のため、入山制限があるのだ。

広大な演習林内には、札郷、郷台、清澄の3か所に作業所があり、職員が維持管理を続けている。今回は正式な許可を得て、札郷から郷台へ歩いた。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月9日 6,518
霧氷を思わせる木之根街道の雪

[第26回] 木之根峠へ

雪山思わせる6日目に

この分水嶺取材では待ち合わせ場所で、記者(忍足)と川崎勝丸さんが打ち合わせをするのが恒例である。その川崎さんは毎朝、その日のルートを示した地図を持参する。前回は東西に馬鹿長い地図を持参されて、記者が仰天した。6日目は地図そのものは小さい。小さいが、赤で示されたルートはS字状に曲がりくねっている。そのSも小文字ではなく大文字である。大蛇のような「S」がきょうの行く手の困難さを物語る。そんな6日目のスタートである。

前回は県道88号の富津市・鴨川市境で終わりである。吉例のごとく、ここから6日目が始まる。前夜に降った雪で、郡界尾根は真っ白。雪山を思わせる6日目だ。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月29日 6,524
笹やぶをこいで進む

[第25回]御所覧場へ

早い時刻で5日目の下山

浅間大神ピークを西に下りる。急な下りで、慎重さを欠けばそのまま滑落だ。立木につかまり、ゆっくりと下りていく。

下りた先は、草が刈られた林道のような場所。ここで川崎隊長が提案する。この林道を南に下れば、古畑の集落に出られる。時刻は午後1時55分。時間は十分あるのだ。

川崎さん「どうしますか」

記者(忍足)「尾根を縦走したらどれくらいでしょうか」

川崎さん「健脚で1時間です」

記者「では、そのまま尾根を行きましょう」

即断即決である。きょうのルートをさらに延長し、安倉谷方面を目指す。

[ .. 全文表示へ ]

10年4月28日 6,533
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved