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最後のヘアピンカーブ

片道2・6`の快適有料道路

@鋸山登山自動車道

屈曲の続く上りのライン。海抜数bから徐々に標高を上げるコースは、房総屈指の登山自動車道である。

明鐘岬の南側。国道127号を南下すると、明鐘トンネルを抜けた山側にゲートがある。ここが上り口だ。料金は、普通車で往復1000円。片道2・6`のルートで、亜熱帯植物や眼下に広がる眺めが素晴らしい。ハンドルを握る人は、快適なワインディングが楽しめる。1000円は割安だろう。

ゲートからすぐに上りとなり、右にカーブを曲がると、正面に手掘りのトンネルが出る。ここまででゲートから0・4`。ここからはさらに勾配が増し、本格的な登山道になる。

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12年6月2日 17,097
鋸南町元名から見た鋸山の尾根。左端が明鐘岬、尾根中央部の白い建物がロープウエー駅。

Mt.Nokogiri 誉れ高き低名山掘り下げ

安房と上総の2国を分ける険峻な郡界尾根。その西端に位置し、東京湾入り口のランドマークともなっているのが鋸山(標高329・5b)だ。県内有数の観光地として、その名を関東一円にとどろかせ、大勢の観光客でにぎわった山。古くは延宝2年(1674)、徳川光圀が訪れ、甲寅紀行にも足跡を残した低名山中の低名山である。

その誉れ高き鋸山を、多方面から取材した連載企画「ザ・鋸山」が、あす3日からスタートする。アクセス編、登山編、日本寺編、明鐘編など、さまざまな角度からこの低名山を掘り下げる。レジャーの多様化で、かつてのにぎわいはないものの、富津側の切り立った鋸歯の景観は、昔も今も不変である。登山自動車道、ロープウエー、東京湾フェリー、そしていくつかの登山ルート。鋸南側の南麓には、わが国の国号を冠した古刹・日本寺があり、重厚な歴史も存在する。

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12年6月1日 17,857
構想のあった第2トンネルの鋸南側

E鋸山第2トンネル構想

国道127号には、暗黙の交通マナーがある。狭いトンネル内では大型車のすれ違いができないので、大型車同士が、譲り合うのだ。どちらか先にトンネルに入った方に優先権≠ェあり、後から来た大型車は坑口で待つ。このルールを知らないと、待つ側の大型車の後続は危険な目に遭う。坑口でいきなり、前車が止まるのだ。地元の人は知っているが、観光ドライブの人は急ブレーキをかけることもある。

南無谷―高崎間はこうしたトンネルが連続する。が、この区間はトンネル部分が直線であり、前方が比較的見渡せる。

そうでないトンネルが、明鐘トンネル(108b)である。鋸南町から富津市へ抜ける場合、トンネルそのものが右にカーブしている。前方から大型車が来るかどうかも見えない。そこで地元の大型車は警笛を鳴らして、進入を知らせる。警笛が鳴ったら、後から来た大型車は坑口で待つのだ。

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12年7月9日 16,298
金谷港へ向かう「しらはま丸」

D東京湾フェリー

東京湾口を東西に結ぶ海の国道≠ナある、東京湾フェリーの「久里浜―金谷航路」。東京湾アクアラインの開通で、かつてほどのにぎわいはなくなっているが、鋸山への首都圏からのアクセスであることには、昔も今も変わらない。

航路の発足は昭和35年(1960)というから、ロープウエーの2年前、登山自動車道開通の15年前になる。鋸山を拠点とした観光は、この60年〜80年代にかけてが最大のにぎわいだった。フェリー、ロープウエー、自動車道が三位一体となって、鋸山観光を支えたのである。

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12年7月2日 15,972
ロープウエーの山頂駅

片道4分 県内唯一の索道

A鋸山ロープウエー

そこに住んでいながら、あまり利用しない交通機関がある。観光を目的とした運輸施設がその筆頭格で、鋸山ロープウエーもそのひとつだろう。

県内では唯一のロープウエー。日本語では索道といい、索で結ぶ乗り物である。全長は680b、高低差は223b、傾斜は28度だから、全国にある他の索道と比較しても遜色はない。

3線交走式。2つのゴンドラが、対角線上を走る。駅は山麓と山頂の2か所。当然のことだが原理としては、中間地点で2つのゴンドラが対面することになる。

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12年6月9日 17,053
鋸山観光道路の入り口

B鋸山観光道路 日本寺東口へ続く町道

鋸山や日本寺にアクセスする、もっとも新しい道路が、この観光道路である。鋸南町が平成8年(1996)、鋸山観光への有力路線として建設した全長775bの町道だ。観光道路と名がつくが通行は無料で、いまも多くの観光客がこの道路を利用している。

国道127号の元名地先。JR内房線と国道が平行して走る部分。JRのガードをくぐる2本の道があり、北側が古くからあった日本寺の表参道への路線。ほぼ同じ幅員の南側の道を行くと、やがて幅員が広がる。両方の道の間を小磯川が流れる。上流には元名ダムがある。

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12年6月16日 34,180
鋸南側の国道127号元名トンネル

「関東の親不知」貫く

C国道127号と富津館山道路

鋸山から西に伸びる郡界尾根は、かつての交通難所だった。延宝2年(1674)、徳川光圀がここを訪れ、磯場を岩伝いに明鐘岬を越えている。時代が下がって、伊能忠敬は享和元年(1801)、沿岸測量のため、松平定信も文化8年(1811)、江戸湾防衛視察のため、この岬に立ち寄っている。

干潮時にしか歩けない困難な場所。人はこの明鐘を「関東の親不知」と言った。

その交通難所が解消されたのは、それほど古いことではない。海岸沿いに南北に貫く国道127号が、現在のような形で全面開通したのは、昭和27年。昭和18年から軍事用道路として整備されたが、終戦によって一時中断。産業振興に欠かせない道路として、2級国道と指定されたのである。

時代を追ってみてみよう。

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12年6月23日 21,687
観月台ルートの登り口看板

@観月台コース

金谷側からの有名な登山ルートは、大きく分けて3つある。金谷石を切り出した車力道コース、沢沿いに歩いて東の肩に出る沢(安兵衛井戸)コース、そして観月台コース。登山道の一部は環境省の関東ふれあいの道になっており、近年そのルートが整備されている。

登山編ではこの3つのコースのほか、忘れられた「蒼の階段」コース、富津側の林道、鋸南側の林道、立ち入りが困難なルートも合わせて紹介しよう。最初はもっともポピュラーな登山ルートの観月台コースである。

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12年7月16日 14,099
三角点のある山頂広場

C関東ふれあいの道

関東ふれあいの道は、環境省の長距離自然歩道構想に基づき、関東の一都六県が整備した、関東一円を歩く壮大な自然歩道である。同省はこれを首都圏自然歩道と呼んでいる。

千葉県内は、29か所の整備。安房には▽海と森をつなぐみち(おせんころがし〜内浦山千葉県民の森)▽アジサイのみち(内浦山千葉県民の森〜清澄寺)▽モミ・ツガのみち(東大演習林〜元清澄山)▽東京湾を望むみち――がある。そのすべてが一筆書きで連結されているわけではない。東京湾を望むみちは、JR金谷駅から鋸山を越えて、JR保田駅へ出るルートである。

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12年8月4日 13,804
石切り場跡近くの下りの案内看板

石畳続くお勧めルート

北口から日本寺に入って拝観すると、百尺観音や地獄のぞきが間近だが、それは「日本寺編」に詳述する。今回は石切り場跡から、車力道を下ってみる。

北口からきびすを返し、標識に従って石切り場跡方面に歩く。5分で石切り場跡・日本寺の分岐に戻る。関東ふれあいの道は金谷の街中を通り、観月台コースを登って、石切り場跡から新展望台に続くルートで、この分岐から石切り場跡が関東ふれあいの道の一部となるのである。

石畳の道を歩く。ややアップダウンはあるものの、ルンルン気分の道である。後ろを振り返ると、空中に張り出した地獄のぞきが見える。観光地とあって手すりの中に数人の観光客がいる。

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12年7月21日 15,332
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