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新展望台からの南側眺望

【第2回 絶景の鋸南・富津市町境】

(2) 一等三角点へ

急な岩肌の斜面を過ぎると、緩やかな土道となる。この登りきった場所が電話会社の電波塔があったところで、10坪ほどの広場になっている。電波塔撤去後に、ここに展望台が築かれた。西側の十州一覧台と区別するため、新展望台と名づけられている。ちょうど、富津館山道路の鋸山トンネルの真上に位置する。

ここからの眺望は、房州五指に入るビューポイントである。東側の一部が樹木で遮られている以外は、ぐるりが見渡せるのである。西側眼下にはロープウエーの山頂駅、十州一覧台、地獄のぞきのフェンスが見える。北は鹿野山から富津岬までの千葉県側、対岸は横浜あたりから横須賀、城ヶ島までの三浦半島が手に取るように見える。洲崎からも確認できる横須賀火力の3本煙突はすぐそこだ。

南側は入り組んだリアス式海岸のような内房の海岸線が美しい。大房、洲崎までの凸凹が並ぶ。ぽつんとした浮島も絶好のアクセントである。南東側には富山、伊予ヶ岳、大日山、御殿山などの低名山がずらりと頭を出している。

ここでしばらく休憩を取る。円形にベンチが置かれているから、かなり広い。ぐるりの眺望を図示した案内板もあるので、初めての人でも山並みが確認できる。

展望台を下って、整備された登山道を東へ。長い尾根は、富津市と鋸南町の境でもある。随所に境界杭が打たれているので、この辺は迷うこともない。

千葉テレビの中継塔と鋸南町の防災無線が並び、ここを過ぎると5分ほどで、一等三角点に着く。一等とは45`ごとに配置された三角測量の緯度経度の基点で、一等と一等の間に二等、二等と二等の間に三等、さらに補助的な四等の三角点がある。数字が小さいほど、重要な三角点であり、それゆえ標石も立派になる。

一等三角点と菱形基線測点

鋸山一等三角点には、すぐそばに国土地理院の菱形基線測点が置かれる。これがまた立派なコンクリート製で、三角点の何倍も大きい。房州に4つしかない一等三角点なのに加え、菱形基線測点があることから、周囲は立派な撮影名所となっているのだ。何しろ、鋸山尾根の最高地点で、標高は329・5b。郡界尾根に並ぶ頂では安房高山(標高364・9b)、元清澄山(同344・2b)、三郡山(同337b)に次ぐ高さである。

ここから北側の眺めがまたいい。富津側の緑深い山塊が圧倒的な迫力で迫る。登山口から1時間20分での三角点。ここまでは、一般的なハイキングコース。ここから鋸歯の上を歩く、ロング尾根が延々と始まるのである。

(つづく)

【写真説明】新展望台からの南側眺望

【写真説明】一等三角点と菱形基線測点

08年1月5日 21,816
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