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気高い三角点標

【第3回 正面に嵯峨山の姿】

(3)東の肩から林道口へ

一等三角点に別れを告げ、尾根筋を東へ向かう。アップダウンのある楽しい鋸歯コース≠ナある。

三角点から東の肩を経て林道南房総金谷元名線までは、関東ふれあいの道指定を受けており、木の階段や手すりもある。しばらく行くと、古い石切り場跡が出る。金谷側の石切り場跡は、地獄のぞきがあったり、コンサートが開かれたりと、すっかり観光名所となっているが、元名側は古めかしい。すでにやぶに覆われ、金谷側ほど保存性も良くない。すぐ南側に石を滑り落としたスロープ状の跡がある。ここから元名の海へ石を出荷したという。南側の石材は「元名石」と呼ばれ、北側のそれは「金谷石」と呼ばれたのだ。

トージ(マテバシイ)の林を抜けると、両側が切り立ったような狭い尾根になる。慎重に歩いていく。三角点から20分ほどで、広い場所に出る。雑木があるが、狭さは感じられない。こここが通称「東の肩」と呼ばれる平地である。この肩が沢コースの分岐でもある。

標うっそうとする東の肩広場

金谷側から鋸山に登る場合、観月台を含めた一般登山道、車力道コースともうひとつ、沢コースがある。沢コースは一番大回りなルートで、その名のとおり、金谷川の支流の沢筋を歩く。沢を登った先が、この東の肩になるのだ。

ここには観光協会やロータリークラブが設置した看板があり、小さなベンチも置かれる。小休止して、さらに東を目指す。

ここからしばらくは、緩く下る楽な道である。林道口までは関東ふれあいの道として整備されているので、一部に木の階段も手すりもある。正面に嵯峨山の美しい姿が座る。杉林の中を歩くと、半日陰のやぶにビン洗いブラシのようなサラシナショウマの白い花が咲いていた。登山道で出合うと、うれしい花である。

東の肩から30分で、林道口に出る。この林道を南に下れば、鋸南町の水源である鋸山ダムに出る。開削された記念碑が立ち、あたりはコンクリート舗装されている。

ここからがいよいよ、ハイカーも足を踏み入れないルートになる。

(つづく)

【写真説明】気高い三角点標

【写真説明】標うっそうとする東の肩広場

08年1月7日 19,911
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