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わかりやすいスイセンピークへの標識

【第7回 ロープのある登山ルート】

(7)スイセンピークへ

壮大な長尾根歩きの2日目は、前回のつづきからとなる。鋸南町の小保田から長狭街道を北に入り、下貫沢から山へ登る。ルートは前回の終わりからリレーするため、忠実に守るのだ。ズルは許されない。

下貫沢の取り付きで、富津市の釜ノ台から歩いて来た吉原さんと出会う。川崎さんとも旧知の間柄で、なんと週に3日は、嵯峨山北側の釜ノ台から保田に通うという。御歳85。健康のための峠越えを自らに課しているのだ。富津市側へ降りれば用は足りるが、それでは舗装道のため歩数も少ない。敢えて峠越えで保田に降りるのだという。「車だってエンジンをかけなければ、動きが鈍る。エンジン、エンジン」と意気軒昂だ。リュックにブーツ。装備も万全でこの峠道を週3日往復する。頭の下がる思いだ。

吉原さんと別れ、急な道を登る。目の前にスイセンピークが覆いかぶさるように座る。この道が実に急なのだ。何度か休憩を入れながら、あえぎあえぎ登る。こちらは吉原さんより38歳も年下だが、ベテランの持久力にはかなわない。

スイセンピークの石宮と看板

10分間の上りで、ようやく尾根筋の分岐になる。ここが2日目のスタート地点。まずはスイセンピークを目指す。

木の尾根道を歩く。5分ほどで九十九折の上りになる。小さな峠を越えると、ここがスイセンピークへの分岐点。「左 梨沢 保田見 釜ノ台」「右 水仙ピーク 嵯峨山」の標識がある。地元の愛好家が設置したか。梨沢から入った登山道の分岐である。白地に黒文字が明確で、ここで迷うこともない。

小休止して、右の急登をいく。樹木にトラロープが設置してあって、これに沿って歩けば安心である。大きな尾根なので、このロープが登山ルートを示してくれている。地元の人の配慮だろう。ありがたいことである。

露岩のある尾根に張り付くようにして登っていく。標識から5分ほどで、スイセンが植えられた斜面になる。岩尾根を登っていくと、スイセンピークが現れた。スタートから20分だ。

ピークの富士講の石宮の横に、分岐標識と同じ意匠のピーク標識がある。石は風化していて文字も読み取れないが、時代はかなり古いのだろう。石の隙間に寛永通宝があった。時代を感じさせる。

(つづく)

【ハイキングガイドではありません】

【写真説明】わかりやすいスイセンピークへの標識

【写真説明】スイセンピークの石宮と看板

08年1月11日 19,509
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