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三間社流造りの手力雄神社

山中激歩連載【第7回】

(7)稲村城跡から手力雄神社へ

稲村城跡から、古道は北へ伸びるが、九重地区はさらに枝道のように古道があるので、少し遠回りになるが、2日目は真野大黒から宇田方面へ周回するコースを歩いた。

稲村城跡から構造改善が終わった水田地帯を歩く。JR九重駅を過ぎ、県道館山千倉線を歩く。里見家の双子姫伝説から、地名がそうなったという二子の地だ。JR内房線と県道が並行して走る。途中、民家の角を左手に折れ、九重小方面へ。頭部が亜麻色のアマサギが、水田でえさを探している。六地蔵を見て、右に折れ、薗の裏山に位置する場所から登り始める。

石棒を納めた「バア神様」

登り始めは、草が生い茂っている。小さなやぶこぎになるが、しばらくすると、例の6尺道となる。雑木林内を行く、快適な道となった。途中、林が切れ、南側に安東の集落が見下ろせる場所になる。

山道に入って25分ほどで、国道の水玉方面から山へ入る林道と合流する。車も通れる林道で、一部はコンクリート舗装されている。川崎さんによれば、この道こそが、大黒天で有名な真野寺へ行く参道だという。

合流点から10分で、大井方面と宇田坂方面への分岐となる。この分岐が広く開けていて、一角に縄文時代の石棒を納めた小さな祠がある。地元ではこの祠を「バア神様」と呼んでいる。かつてはここに茶屋があったそうだ。

このバア神様の分岐を左に折れる。大井の手力雄神社を経由して、真野大黒へ向かう道である。

山道はいったん下りになって、左手に大井城址とされるこんもりした山を見て、里に出る。ナシの産地で有名で、あちこちにナシ畑が広がる。豊穣の地なのだろう。優良農地が広がっている。

里の一角に、きれいに庭が整備された恵比壽神社がある。この神社を過ぎると、県有形文化財指定の手力雄神社の階段が出現する。それほど長くない階段を登ると、荘厳な構えの本殿が現れる。三間社流造りといい、天正年間、里見義頼時代の創建という、歴史のある社である。

ここに参って、歴史の前に頭を下げる。

(つづく)

【写真説明】三間社流造りの手力雄神社

【写真説明】石棒を納めた「バア神様」

07年7月10日 55,944
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