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32ドリームKの皆さん

昨年6月3日からスタートした本連載も、これが最終回。67回も続いたのは、ひとえに読者の声援のお陰だ。

その記念すべき最終回を飾るのは千思万考のすえ、鋸南町の女性グループ「ドリームK」(高橋和加江代表)にした。民間レベルで、さまざまなイベントを展開、鋸山の南で活性化を目指して活動している。

元々が地域のつながりである。鋸南に住む合縁奇縁で結びついた仲だ。

活動の視線はいつも「地域の活性化」。鋸南特産のジンタ(小アジ)をテーマにしたオリジナルソングをつくり、CDにして売り出した。歌い手の子どもを募り、オーディションを敢行した。ヒジキやクジラを使った特産品の開発。佐久間ダム湖での各種イベントの開催。「自分たちが楽しんで、地域も楽しむ」というコンセプトで、たくさんのイベントを展開している。そこには公平無私の精神が生きている。

鋸山でのイベントも展開した。独身男女を結びつける写真撮影会、独身男女が参加するノルディックウオークの講習会。鋸山は佐久間ダム湖と並ぶ、写真撮影の最適地だ。

振り袖を着た若い女性に、レンズの放列。撮る側、撮られる側が心を結ぶ。そうやって撮影した写真は、額装して道の駅に展示した。ノルディックウオークでは、JR保田駅から独身男女が歩き、日本寺書院で坐禅体験も積んだ。

撮影会ではドリームKメンバーも和装で、ノルディックウオークは山ガール<Xタイルで、周囲になじんだ。独身男女を結び付けたい、ノルディックウオークを広めたい。そんな思いが、そのまま地域活性化につながっていく。

オリジナルの紙芝居も特筆もの。メンバーが夜な夜な集まっては、シナリオを書き、絵を仕上げる。練習を重ね、イベントの場で演じる。タレントぞろいなのも、持ち味だ。それぞれのメンバーが、それぞれの役を演じ切って、紙芝居を盛り上げる。そうやって人の輪が広がり、演じる場も徐々に広がっていく。

地域活性化を唱えるのは容易い。行政も、各種団体も地域の浮沈をかけて、あの手この手を打っていく。そこに民間の手が加われば、地域力は盛り上がる。行政と民間が一体になってこそ、活性化が果たせるのである。

実は「ザ・鋸山」連載も、民間レベルでの地域支援が目的であった。富津市側、鋸南町側ともに鋸山観光に力を注ぐが、両自治体が手を携えることはない。両市町の民間レベルも同様だ。金谷側、保田側がそれぞれにイベントを打つ。

市町境があるとはいえ、同じ千葉県の一員だ。登山ルートも市町を越えて紹介する紙面があっていい。ドリームKの活動が無私を貫くように、本紙連載も無私の心で、千葉県の宝である「鋸山」を盛り上げていきたい。

連載原稿の処理はいま、単行本化に向けて動いている。鋸山を縦横無尽に紹介できる一冊になれれば、この上ない幸せである。

1年半近くのご愛読に感謝します。

忍足利彦

13年10月28日 34,051
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