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地味だが凛としたカンアオイの花

【第22回 ようやくハイクコースに】

黒塚番所跡へ

県民の森ロングハイキングコースは、ディープな山愛好家の間では、有名なコースだ。30`もある尾根筋を歩くスーパー健脚向け。2つの県民の森を結ぶから、それなりに人気がある。

が、こちらの大トレッキングは、さらに長い。西端の鋸山から東端の岩高山を結ぶ。西の浦賀水道から東の太平洋まで行くスーパーロングコースなのだ。ロングハイクにも負けてはいまい。

ここまでの尾根道は「道なき道を行く」感が強かったが、ここから先は、ハイキングルートになっている。落ち葉が積もる快適な道である。川崎さんいわく「ここからはルンルン道ですよ」。

確かに落ち葉は積もっているが、ルンルンとはいい難い。凸凹もあれば、難所もある。それでもときおり現れるモミの巨木に驚き、地味だが凛としたカンアオイの花に慰められ、歩を進める。

黒塚番所跡の関東ふれあいの道道しるべ

金山ダムへの分岐点を過ぎ、道しるべから1時間歩いて、黒塚番所跡に出る。右に下れば金山ダム、左が元清澄という、大きく立派な道しるべが鎮座する。これが県と環境省の「関東ふれあいの道」の案内である。

関東ふれあいの道は、関東地方にいくつも指定されているが、ここはモミ・ツガの道。原生林を歩く楽しいコースという触れ込みである。ふれあいの道は清澄寺バス停と金山ダムを結ぶルートであり、ロングハイキングコースとはまた別。つまり、鴨川有料からは道なき尾根を歩き、ロングハイキングコースと合流し、さらにこの黒塚番所跡で関東ふれあいの道と合流したことになる。

番所跡は四辻にもなっていて、北側が鍋石への分岐。こちらは道も荒れていて、いまは歩く人もない。四辻は広くて、路傍には明治六年の銘がある「みついし」の小さな石標がある。そのころは大勢が歩いた街道だったのだろう。

広い四辻で弁当を広げる。当然ながら四辻でも車はこないし、ハイカーもいない。誰も通らない交差点で、ゆっくり昼食となった。これから先は関東ふれあいの道。ルンルン気分だろうか。

(つづく)

【写真説明】地味だが凛としたカンアオイの花

【写真説明】黒塚番所跡の関東ふれあいの道道しるべ

08年1月30日 19,595
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