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宇那の三等三角点

【第27回 沖見テラスへ】

岩だなの上 飛ぶジェット

三叉分岐に戻って、ルートを再確認。左の中央広場方面へいったん進む。下ってすぐ、「区域外」の標識が出るので、この分岐を右に行く。県民の森に行くのは左だが、自己責任で区域外へ行くのである。

コンクリート境界杭があちこちにある。ここは市境ではなく、内浦共有林の財産区の境界である。尾根筋なので、共有林の境でもあるのだ。

アップダウンの続く岩尾根で、林道での鼻歌はどこへやら。ラクダのコブをいくつも越えていく。三叉分岐から15分で、この日唯一の三角点峰への登り口になる。

急な斜面をよじ登る。時折、露岩があってかなりワイルドな上りである。財産区の境界杭がつづき、そのピークに三等三角点(標高211・8b)があった。国土地理院は、この三角点を「宇那」としているから、ここは宇那峰だろう。

大きな岩だな「沖見テラス」

そのまま宇那峰を下っていき、尾根筋を振り返ると、妙見山が見える。ツンツンした杉が出た特徴的な山で、2本の無線塔を従えている。妙見山の左には清澄寺の仏舎利塔も見える。

尾根を歩くとやがて広い岩のテラスに出た。珍しく周囲に樹木がない。南側に絶景が広がり、その先に光る太平洋。ここで昼食になった。広い岩だななので、6人が座ってもなお余裕がある。この郡界尾根では、珍しい場所だろう。

これだけの岩だなだが、やはり無名という。鋸山東の小鋸(このこぎり)に続けて、命名しようということになって、遥か沖合いが見えるので「沖見テラス」でどうか、という話になった。

沖見テラスで食べる昼食はおいしい。すぐ真上をジェット機が通る。垂直尾翼の赤で、JAL機だと確認できるほど、すぐ上を飛んでいる。3分と間を置かぬうち、次の飛行機が飛来する。羽田空港へ向かうのだ。房総丘陵の上は絶好の飛行ルートなのだろう。

空を見上げ、光る太平洋を眺める。この山中で雄大な時間を楽しんだ。

(つづく)

【写真説明】宇那の三等三角点

【写真説明】大きな岩だな「沖見テラス」

08年2月5日 38,708
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