企画・エッセイ » 記事詳細
東大演習林の入り口から山へ入る

[第8回]札郷へ

雪が歓迎 2日目のスタート

ジグザク尾根を歩く分水嶺の旅も、2日目。

冒頭、断っておくが、この石尊山から四方木までのルートのほとんどが、東京大学大学院農学生命科学研究科附属科学の森教育研究センター・千葉演習林(通称・東大演習林)の中にある。東大演習林は、純然たる教育研究施設であり、一般の立ち入りは許可制になっている。今回は新聞社として正式に立ち入り許可申請をし、特別な許可をもらって歩いた。貴重な植生があり、動植物が生息する森である。2日目の稿(GからKまで)は、その辺を十分考慮のうえ、読み進めていただきたい。

主要地方道市原天津小湊線(通称・養老清澄ライン)の黄和田畑から、山へ入る。入り口には「東京大学演習林」の看板。もちろん、一般は立ち入り禁止だ。許可証を背のザックに入れ、4人で山へ入る。

巨大ながけをトラバースする

ここから石尊山を経て、札郷に至るまでのルートは、Nの標識が続くころから通称「Nライン」。まずは郷田倉上ルートで石尊山を目指す。

木製ステップが置かれた杉林の中を歩く。さすがに管理が行き届いていて、民有林よりも歩きやすい。

杉林を登っていると、ぱらぱらと白いものが降って来る。雪である。この日は西高東低の気圧配置で、房州は強い西風が吹いていた。この尾根は雪雲が覆う。寒さでボールペンのインクも出にくい。

かじかむ手で急な斜面を登る。涸れ沢の上の木橋を渡ると、コンクリート柱が出る。演習林の境界杭である。杭沿いにぐんぐん登る。尾根をいったん下がって上ると、石尊山下山口の分岐。そのまま歩くと、山頂への分岐となった。ここまで30分。ここまでは初日に歩いたので、2日目の実質スタートは、ここからである。

標識はN10。標識に従い、麻綿原方面へ進むと、崩落した崖地を経て、「大多喜・麻綿原」の分岐となる。右の麻綿原方面に折れると、ハイキング道のようなフラットな道となる。別荘の裏庭のごとく風情のある道である。雪もなんのその。ルンルン気分で歩を進める。

突如、目の前を巨大ながけがふさぐ。4人で注意してトラバースする。

標識N58からは道を下る。空は晴れて、尾根は風が強い。麻綿原・札郷の分岐を経て、やがて「前沢歩道」の標識が出る。そのまま進むと、眼下に建物が見える。これが東大演習林の札郷作業所である。

作業所の周囲はきちんと管理されていて、林底にはマンリョウが赤く実っていた。

(つづく)

【写真説明】東大演習林の入り口から山へ入る

【写真説明】巨大ながけをトラバースする

10年4月8日 6,888
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved