企画・エッセイ » 記事詳細

[第24回]浅間大神ピークへ

続く異例のハイペース

三郡山から先は、尾根を徐々に下るラインとなる。基本的に下りだが、いくつかのこぶもあるので、ここからが難関でもある。

林道は宇藤木大山(標高347・9b)の手前で、富津市豊岡方面へ下ってしまう。この林道を下った先が、富津市の小字・宇藤木である。山頂に宇藤木集落が建立した石宮があることから、地元山仲間は小字の名をとって宇藤木大山と呼ぶ。長狭街道から眺めても、立派な峰が確認できる。ピークは郡界尾根のやや北側にあるから、上総の山である。

三郡山から20分ほど歩くと、宇藤木大山の手前になる。ビニールテープがいくつも巻かれていて、ここがルートだと分かる。テープにしたがって左の小道を行く。本日初めての山道である。ルートを取った川崎さんが、ロングコースで設定した理由が分かる。ここまで歩いて午後1時10分。5日間の中で異例のハイペースである。それもこれも、林道が多かったゆえだ。が、ここからは本格的な尾根歩きとなる。まだ足の関節も音を上げていない。行け行けドンドンである。

フラットな山道を歩くと、やがて古道のような広い道が横切る。奈良林から上がってくる道で、現在は歩く人も少ないのだろう。それでも道はしっかりしていて、富津市方面に抜けられる。

我々は、この古道を横切って、尾根筋に上がる。ここにもビニールテープがたくさんあって、上へ上へと我らを招く。

険しい尾根登りを続けると、見覚えのある巨大な石碑が出る。ヤマに「水」の文字の下に大きく「浅間大神」と彫られている。石そのものが人形(ひとがた)をしており、南の集落を向いている。浅間神社の石碑である。すぐ下の石宮には、この正月に飾られたような紙垂があるので、地元の人が足を運んでいるのだ。2年前よりもすっきりした感があるのは、周囲の雑木が切られているからだろう。人の背ほどもあるこの石をどうやって、このピークに運んだかは分からないが、この石碑は歴史的にも相当の価値があろう。この石宮が粗末に扱われていないのは、うれしいものだ。

歴史的な石碑の前に頭を垂れて、ここまでの安全山行に感謝し、この先の旅の安全を祈願した。

(つづく)

【写真説明】本日初の山道へ。宇藤木大山の手前を入る

【写真説明】石そのものが人形をした浅間大神

10年4月27日 6,481
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved