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二股に落ちていく鹿島滝

[第22回] 鹿嶋滝(かしまだき 鴨川市東江見)

二股で落ちる特徴的な滝

高さは8bほどの滝だが、最大の特徴は、流れが滝上で横になり、二股になって落ちていることだろう。正面から見ると、滝上がトヨ状の岩となり、水はいったん右に落ちてから左に流れ、岩肌中央部で二股になる。取材日は雨上がりで、豪快だった。左股は広がって落下、右股は懸垂型に落下する。

夏場の水量の少ないときは、ちょろちょろの滝だった。

第六天滝の上から車道を南へ進む。ここに九頭竜トンネルがあり、トンネル上には九頭竜様と稲荷様が祀られている。近くにはJR九頭竜様踏切もあり、地元の人の信仰が篤いことがわかる。滝の下流にある民家の人に聞いたところ、九頭竜ということもあり毎月9、19、29日に参拝者が訪れる。漁業関係者や水商売の人が多いという。

滝へ下りるには、トンネルを出て2軒目の民家の先を川へ向う。川上に水田があったころは、揚水のために人が下りる道もあったが、現在は草ぼうぼうで道は不明だ。やぶが深いのできちんとした装備で歩くべきだろう。

無理やり川に降りて遡行する。水量が多いと難路ではないが、危険が多い。沢登りの経験のない人は歩かないほうがいいだろう。

深い流れを5分ほど歩くと、滝つぼと岩肌にぶつかる。滝の姿は冒頭に書いたとおりで、美しい流れを見せる。滝つぼは広く、ゆったり感がある。水量が多いときは、雄大な姿だ。残念ながらごみが多く、興ざめしてしまう部分もある。

近くには九頭竜トンネルがある

川を下って、下りた道を戻る。九頭竜トンネル東側に手すりのある階段がある。これが九頭竜様への上り口である。

トンネルは小さいが、滝と組み合わせれば、伊豆の名所の組み合わせである。浄蓮の滝と鹿嶋滝。天城トンネルに九頭竜トンネル。規模は違えど、滝文化は薫るのだ。

川の名は房川。鹿嶋の名は、この地の小字。ウェブ上では「鹿島」の表記もあるが、小字名は鹿嶋という。

【写真説明】二股に落ちていく鹿嶋滝=鴨川市東江見

【写真説明】近くには九頭竜トンネルがある=同

10年11月20日 5,939
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