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米食品医薬品局(FDA)は2008年1月15日、クローン技術で生まれた牛、豚、ヤギとその子孫から生産した肉と乳製品について、通常の家畜と同様に食べても安全だとする最終報告書を正式に発表しました。米紙ワシントン・ポストによると、FDAはクローン技術が使われた牛肉や牛乳、豚肉などの脂肪、タンパク質、ビタミン類などを検査し、値は通常のものと変わらないと結論付けたのです。また3か月以上にわたり実験動物にこれらのクローン食品を与えたが、異常は見られなかったと報告しています。

ヒツジのクローンが誕生したニュースを見た時から、私はこういう日が来ると思っていましたし、楽しみにしていました。当時はいろいろな評論家が「食用にするには安全性に問題がある」と、したり顔で言っていましたが、私は「自分なら喜んで食べるぞ。それに食糧危機の時代になったら、こういう動物を大量に作って食物にした方が安全でよいのだ」と思っていました。

これまでFDAはクローン食品の流通自粛を業界に求めてきましたが、上記の報告書と同時に発表した企業向け指針で「通常の食品以上の規制は必要ない」との見解を示しており、販売の許可がおりたと理解して良いでしょう。米国内で許可が出たとなると、日本への輸出の話が出るのも当然でしょう。

そうなったら房日新聞の読者の皆様はどうなさいますか。安全性の問題があるとして買わないようになさいますか。私は安くて肉質が良ければ喜んで買います。クローンだからといって肉に危険性があるわけではないと当初から思っていましたから、今後の世界の食糧事情も考慮して率先して食べます。

ただ、残念なのはクローン食品が市場に出まわるのにまだ数年はかかるだろうと言われていることです。現在の態勢では売ろうにも生産が追い付かないのでしょう。現在、米国内にいるクローン牛は570頭と報道されています。

販売が始まると、食糧品の生産地を示すのと同様、クローン食品にもそのように表示するのだと思っていましたが、FDAはその必要性を認めていないと報道されています。しかし、わが国がそこまで米国に追従する必要はないでしょう。実際に日本で販売する時には、わが国の判断で「クローン食品」であると表示することになるだろうと私は考えています。米国でもこれからいろいろと議論がなされ、消費者の目に触れる時にはクローン食品であることが表示されることになるだろうと推測します。

各紙の報道では、欧州連合(EU)当局は先週、オーストラリアやニュージーランドに続く形でクローン食品は安全との報告書案を発表したため、米国もそれに追随した形になったとのことですが、議会や消費者にはクローン食品の安全性に対する不安が根強く、早期の販売開始につながるかどうかは不透明だと言われています。またFDAが安全宣言を出したといっても、米農務省のナイト次官(市場担当)は15日午後、記者会見で、業界に対する従来の販売自粛要請は当面継続すると述べたといいます。

クローン牛肉を食べるぞ、という私の楽しみは当分おあずけのようです。

08年1月21日 12,193
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