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私が毎年、春になるとツクシを採って食べていることを以前この欄でご報告いたしました。

今年は寒さの厳しい長い冬でしたので、ツクシが出て来るのも例年より遅くなっています。鴨川だと例年では2月下旬には採りに行かないといけないのですが、今年は3月になってからで十分でした。と言うよりも2月には未だ十分に育っていなかったのです。毎年採りに行くところへ見にいったら、まだ頭も出ていなかったのです。

私はツクシが群生している場所を知っていますから、ツクシを採るのは簡単なのです。今年も沢山採ってきました。しかし、いつも困るのは袴を取る作業です。私は職業柄、指を汚したくないので、ツクシを摘む時は手袋をはめるようにしています。ツクシを採った後に袴を取る時も、できるだけゴム手袋をして作業をしています。この袴を取る作業をするたびに、このまま食べられたら楽だろうなといつも思っていました。

そこで今年は発想を変えて、袴を食べても毒ではないだろうから、なんとかしてこのまま食べる方法はないか、と考えました。

通常、私のよくやる料理法は、めんつゆをかけてそのまま煮ることです。これで十分に美味しくなります。しかしこの方法だと袴を取らないと食べる気にはならないのです。そこで今年は袴を付けたまま天麩羅にして食べることを思いつきました。小さな魚の頭はそのまま煮ただけでは固くて食べにくいのに、フライか天麩羅にすれば簡単に食べられることからの連想です。結果は「結構行ける」です。これならツクシを袴もろとも食べられるのです。

読者の皆様の中にはいろいろな方法をご存知の方がおいでになると思いますが、この方法も試していただけるとうれしいです。またもっとよい方法がありましたら御教授下さい。

わが国の食糧自給率の低さが問題になっている昨今、非常時にはツクシの袴を結構重要になってくるのではないでしょうか。

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加納宣康 昭和24年8月4日岐阜県生まれ。現在、亀田総合病院特命院長補佐、主任外科部長、内視鏡下手術センター長、マハトマ・ガンジー・メモリアル医科大学名誉客員教授、帝京大学医学部外科学客員教授

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

08年3月24日 22,163
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