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2018年5月16日08時18分配信の朝日新聞デジタルに、「半グレはルールない、何でもあり 把握難しい準暴力団」(八角健太、杉浦達朗記者担当)という記事が載っていました。

丁度今、私が読んでいる小説が、大沢在昌の新宿鮫シリーズのひとつで、主人公の鮫島刑事が不良外国人たちの犯罪に立ち向かう話ですので、この記事を興味深く読みました。小説内では、外国人犯罪者たちは、日本人暴力団員たちよりもさらに質が悪い、というニュアンスの表現が出ていると私は解釈していますが、もし間違っていたら、おわびして訂正いたします。

今回見つけた朝日新聞の記事を読むと、正式の暴力団員なら、自分が所属する組のルールに従って動くので、ある程度、行動パターンが読めるが、そうではない「準暴力団員」とか「半グレ」と呼ばれる範ちゅうに入る人たちは、守るべき基準、規則がないまま行動するので手に負えない、始末が悪い、ということのように私には思えます。新宿鮫の中でも、外国人犯罪者をコントロールするために、警察と正式の由緒ある(?)暴力団が協力しようとする場面さえあるように感じました。

日本社会の秩序を保つためには、暴力団の存在を容認する必要があるとの見解には与するわけにはいきませんが、警察の立場を思うと、ほんとうに複雑な気持ちになります。新宿署の鮫島刑事のような優秀で頭脳明晰な警察官がたくさんおられると思いますが、危険を顧みず戦ってくださる皆さまのご無事をお祈りすることしかできず、申し訳ありません。

さらに同紙から参考になる文章を引用します。

準暴力団は、犯罪のたびに交友関係などのつながりで集まって行動するのが特徴だ。暴力団のように事務所を構えたり名簿をつくったりすることはなく、警察も全容はつかめていない。

暴力団は暴力団対策法や暴力団排除条例の規制下にあるが、準暴力団は適用外。暴力団幹部は「半グレにはルール、制限がないから何でもありだ」と言う。

暴力団勢力は、1992年の暴対法施行後、減少が進む。警察庁によると、昨年末は約3万4500人で、前年より約4600人減った。減少した一部は準暴力団に移行している可能性もあるという。

警視庁の捜査幹部は、実質的には暴力団組員でも事務所に出入りせずに、構成員としての認定を受けないようにする動きが出ている現状を挙げ「地下に潜って犯罪行為をする者が今後増えていくだろう」と話す。警察庁はこうした現状を踏まえ、準暴力団の実態解明や取り締まりの強化を進める方針だ。(八角健太、杉浦達朗)

一般人には、暴力団員も準暴力団員も区別がつかないので、何かあったら警察に頼るしかないですね。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

18年5月21日 692
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