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最近は新聞を開いても、テレビをつけても、日本大学のアメリカンフットボール部の問題で持ちきり状態が続いています。

私はこの問題の暴行シーン?をテレビで見たときに、これはスポーツのルール違反ではなくて、単純な傷害事件、刑事事件として警察が捜査すべき事案だと思いました。

その後、連日マスコミがこの事件の続報を報じ続けていて、出るべき意見も出尽くした感じがしますが、話題性の大きさから、まだまだ報道合戦は続くでしょう。

加害者である選手への同情も大きく報道され、うっかりこの選手を加害者扱いもできない状況に近くなっています。直接加害の選手が監督およびコーチの指示のもとに犯行に及んだとしても、もう成人した大人ですから、罪を免れるわけにはいきません。最近のマスコミ報道をみていると、直接加害者がいつの間にやら、気の毒な被害者のように扱われつつあります。これはもっと冷静にみる必要があります。

私立大学の運動部といえば、後輩への厳しい指導があることは、昔から耳にしていましたが、ある段階を超えると、大相撲の世界と同様、今はそれが許される時代ではありません。今回の問題は刑事事件としての警察の捜査が一段落したところで、マスコミも読者、視聴者も、もう一度、冷静に考えてみる必要があります。

日本大学は、大学としてしっかりとした調査をして、事実を公表する責任があることはもちろんです。日本最大の大学ですし、私立といえども教育機関として、国からの交付金もたくさん受け取っている責任も自覚してほしいものです。日本経済新聞によりますと、日大は年80億円を超す私学助成を受けているようですが、理事の不祥事や法令違反が確認された場合は、補助金が不交付になるか、または減額されるはずです。今回の事件が、私立大学およびそれらの運動部全体へのイメージダウンにつながらないよう祈っております。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

6月5日20時00分 525
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