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2008年6月15日の朝日新聞によりますと、福岡市では福岡市教委が今年度から市立学校で給食の食べ残しの持ち帰りを禁じたところ、廃棄される残飯が月に約9d増えたとのことです。これは6月13日の市議会本会議で明らかにされました。

どうして持ち帰りを禁じたのかと不思議に思って注意深く記事を読んでみると、市教委は「児童生徒の健康が第一」と強調しているということです。

給食の食べ残しをどうするかに関しては、1997年に文部省(当時)は、食中毒防止のため、給食の持ち帰りについては禁止が望ましいと全国に通知しています。しかし昨年まで福岡市では持ち帰りを認める学校があるなど対応はまちまちだったため、「どうすればいいか」と問い合わせが昨年あり、改めて「禁止徹底」を通知したといいます。

持ち帰るべきか、捨てるべきか、なんらかの責任を問われる立場にある自治体の教育責任者には難しい問題のようです。しかし、吉田宏福岡市長がこの日の答弁で「(給食の食べ残しを捨てるのは)もったいない」と繰り返したため、波紋を呼んでいるようです。

私は市長の英断で「食べ残しは捨てないで、家へ持ち帰るようにしよう」と決めてほしいと思っています。給食の食べ残しをどうするかに関してまで、国の指導を仰ぐということこそ、自主性のない子どものような態度で、あまりにも情けなく思います。これでは子どもの指導などできるものではないでしょう。

福岡市教委健康教育課によると、07年度は215小中学校で1383d、処理費に換算して4427万円分の食べ残しが出て、すべて焼却処分されたといいます。さらに5月は前年同期より9d増えていたと報道されています。

こんなもったいないことをして教育といえるのかと抗議したく思います。子どもが食べのこしたものを持ち帰っても、健康に害が出るほど古くなければ家で食べることに何等問題はないのではないでしょうか。食べてはいけない状態かどうかは親の責任で判断すべきです。食べてはいけないものが給食に入っているはずはないのですから、あとは鮮度の問題でしょう。

私の子ども時代は、学校を休む子がいると、給食に出たものうち、パンとマーガリンを近所の子どもが休んだ子の家へ届けるようになっていました。そのまま学校で捨てるなどというもったいないことはしていませんでした。また食べ残して捨てられたものは、その日のうちに養豚場へ届けられてブタのエサになっていました。

とにかく、食糧事情が大きな世界的問題となっている昨今です。食の安全性に関しては親にもっと責任を持たせて、「もったいない」ことをして世界から顰蹙(ひんしゅく)を買わないよう気を配ることも重要です。

08年7月7日 25,458
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