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出版物の原稿には「締め切り日」というものが設定されています。

手術書などの原稿を依頼されることは大変名誉なことで、ありがたくお受けするのですが、原稿の締め切り日が2、3か月後だと、「まだまだ大丈夫」と思って、書くのをついつい先延ばしにしてしまいます。そうこうしているうちにその他の原稿も書かなくてはならない、学会発表の準備や講演の原稿も作らなければならない、学会誌の編集委員として投稿された原稿の査読もしなければならない、などなど、多くの仕事が入ってきているのに気付いて、「これは大変だ」、ということになるのも珍しくありません。

私にとって最も重要なことは患者さんの手術をすることですから、それ以外に上記のような仕事があるということなのです。通常、患者さんに関する仕事のために朝から夕方までは余分な時間がありませんので、当然、原稿書きなどの仕事は夜間になります。しかし、日中の仕事で結構疲れているので、夜間、いざやるぞ、となっても、体がだるくて眠くて、さっぱり仕事が進まない、ということも頻繁にあります。また、私は基本的に怠惰な人間ですから、面倒な仕事にはなかなかとりかかろうとしません。

その点、「締め切り」があるお陰で、最後は尻に火がついたように一気に仕事を仕上げることになります。そのたびに思うのは、「やる気になればできるものだ」ということです。2日くらいの間に、日常の病院の業務もこなしながら、複数の学会関係の仕事をやりとげると、自分の力を再認識するとともに、「締め切り日があるのはほんとうにありがたいことだ」と思います。

考えてみると、この房日新聞の原稿も「毎週毎週、載せなくてはならない」と自分なりに締め切り日を設定しているからこそ、ここまで続いているのです。それならその他の仕事も自分で締切日を設定してもっと早く仕上げればよいのではないか、と思うのですが、怠け者の自分には実行は容易ではありません。

2008/07/22 掲載分

08年7月21日 19,259
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