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2019年1月23日午後4時に配信された、朝日新聞デジタル(アピタル)に、「『見えない障害』支えるノート 高次脳機能障害の人支援」という記事がありました。

既に本紙読者の皆さまには正直にご報告申し上げておりますように、私自身が2回の脳出血後、この高次脳機能障害に悩まされていますので、医師としてのみならず、患者としてもこの記事を興味深く読みました。記事の内容は、医師の目から見ても、患者の目から見ても、正しいものだと思いました。

世間の皆さまにこの疾患、病態をご理解いただくために、大変ありがたい企画をしていただけたと、朝日新聞社および担当された渡辺朔記者に感謝いたします。

このノートを制作したいわてリハビリテーションセンター(岩手県雫石町)の職員らは「病院だけでなく、家族や職場などとの情報共有に生かしてほしい」と話しておられます。力作を完成させていただき、ありがとうございました。患者としても医師としても、本当に助かります。

高次脳機能障害は交通事故や病気などで脳が傷つき、言語や記憶力、注意力などの能力に支障が出る障害です。外からは見えない障害のため周囲が気づかず、本人も症状を正確に理解・説明できないことが多いため、苦労します。私自身、広い学会場で、時々方向が分からなくなり、目的地へ着くのに苦労することがあります。

そんな本症の患者が社会で適応するのを支援するため、県から事業委託された同センターの職員や臨床心理士、医師らが企画したサポートノート「日々ノート」が完成したとのこと報道を大歓迎します。周囲に気づかれにくく、「見えない障害」と言われる高次脳機能障害の人や家族など支援者のためのサポートブックを制作した「いわてリハビリテーションセンター」の職員らは「病院だけでなく、家族や職場などとの情報共有に生かしてほしい」と話しているとのこと。

本当にありがたくて、駆けつけてお礼を申し上げたいところですが、方向がよく分からない患者が行って、徘徊老人になるといけませんので、この場で、心の中で静かに感謝させていただきます。ありがとうございました。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。千葉徳洲会病院長

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

2月4日20時00分 500
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