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日常生活の中で、車の自動運転が可能となるか否かは、高齢者や体の不自由な方々にとっては大きな関心ごとだと思って、その開発の推移と法の整備を見守ってきましたが、やっと、私にも明るい話だと感じられるニュースがありました。

特定の条件の下、自動運転を認める改正道路交通法などが4月に施行され、5段階に分かれる自動運転のうち「レベル3」が法的に解禁されたというのですから、夢の実現に向かって進んだことを実感します。

車の自動運転の研究は、一時期、かなり速いペースで進んでいて、これなら当初の予定よりも早く実用化できるのではないかという期待を抱かせましたが、研究段階での自動車事故報道があって、急速に開発の速度が落ちたと感じていました。

しかし、その後も各社が熱心に研究を続けていたので、その成果が認められ、今回の法改正にもつながったものと思います。

新聞記事に目を通した限りでは、渋滞中などで高速道路の同一車線を乗用車が最高時速60`で走り続ける場合、システムに運転を任せて運転者は携帯電話を使ったり、読書をしたりすることができるようになったとのことですから、早く試してみたいと思っています。

実は、本欄でも詳しくご報告しているように、私自身が2回の脳出血の影響で、車の運転を控えているのです。法的には運転しても違反ではありませんが、私の運転に問題があって事故を起こしては、皆さまにご迷惑をお掛けすると思って自粛しているのです。高齢者講習も無事、パスして、今年の誕生日に運転免許の更新も終えておりますが、まだ自重した方がよいと思います。運転免許証を持っていないと身分証明書がなくなったような不安と不便を感じますので、もうしばらく携行させていただくつもりです。

自動運転可能な車が発売されたとしても、販売価格が心配ですが、日本のメーカーが努力して、日本の道路事情にマッチした、運転しやすいコンパクトカーを売り出してくれるものと確信して、気長に待っています。

自宅から、学会場に向かって自動運転装置をセットしたら、眠りながらでも、目的地へ予定どおり到達できる日が来るのは、そう遠くないところまで、人類は来ているようです。

すでにホンダは、レベル3の自動運転車を近く発売する方針を示しているといいますし、7月には国土交通省が、最寄り駅から自宅までといった限定的で近距離の移動を自動運転車に担わせるためのガイドラインをまとめたといわれています。今年度中に地域を限って実用化する目標に向け、メーカーなどに参入を促し、2025年度ごろまでには、無人自動運転サービスを全国各地に広げるのが政府の目標とのことですから、心強いです。

ドライバーのいない車が道路を走り回る日が来るのも夢ではないでしょう。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

8月31日20時00分 525

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