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世の中、新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)により、人々の生活様式が大きく変わってきました。

私の仕事関係では、医師たちの出席する学会のやり方が大きく変わりました。

3密を避けるために、1か所に多くの医師たちが集まるのを防ぐ必要があることから、今年の学会(学術集会)そのものが中止になった例も少なくありません。しかし、完全に中止にするのは忍びないため、開催するにしても現地に人を集めず、ウェブ上で発表ならびに討論を進めるという形式での開催にこぎ着けた学会も少なからずあります。

また、学術発表はウェブ形式で行うが、懇親会などの催しは一切中止というところがほとんどです。これまで学会に出席して、全国の医師、古い友人たちとの交流を深めるのも、学会出席の楽しみの一つでしたが、これらがほとんど不可能になりました。

時節柄、致し方ないことですが、気楽に話せる医師仲間たちからの情報収集ができなくなったため、新しい知識の吸収に障害が出るのではないかと心配しています。

学会では、いろいろな決めごとをするために、学術集会が開催されたときに、合わせて評議員会(最近では社員総会と呼びます)が開催され、いろいろな課題が審議され、学会としての方針が決定されるのが常でしたが、今年は学会によっては、評議員会を開催すると、会場が3密の温床となるため、高齢者が多い名誉会員、特別会員の方は、出席をご遠慮ください、との案内がきました。

私もすでにこの高齢者の範疇(はんちゅう)に入っているので、今年は社員総会への出席ができなくなりました(出席しなくてもよくなりました)。多くの学会が、3回以上評議員会を欠席するとその資格を失うと決めていますが、今年の分は欠席しても許されることになるでしょう。

とにかく、コロナ禍の中、長年行われてきた、開催地に集合して行う学術集会が、ウェブ学会へと大きく方向を変えていくことに間違いはありません。

全国学会がこの流れて進んでいますから、地方ごとに行っていた各種、研究会、勉強会などは、軒並み中止になっています。

これだけ多くの集会が中止になっても、医療が回っていくとなると、これまでの多くの学会、研究会はいったいなんだったのだろうか、とむなしく感ずることもあります。

コロナ禍をきっかけに、より合理的な学会、研究会の在り方を考える方向へ進むことになれば、不幸中の幸いです。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

9月7日20時00分 540

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