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新型コロナウイルス感染症がなかなか収束に向かわないために、私が関係するいくつかの医学会がいわゆるウェブ開催へ向かっていることを先日、話しいたしました。

今までの通常の形で開催される学会がリアル(real)学会と呼ばれるようにもなってきました。

私のような頭の古い人間にとっては、「ウェブで開催」と言われても、演題申し込みはどうするのか、発表はどうやってやるのか、発表内容をどうやって登録するのか。などなど、疑問と不安がいっぱいになります。

しかし、とにかくやって覚えるしかなかろうと覚悟を決めました。

直近の学会は、日本腹部救急医学会総会です。

本来なら今年3月に名古屋で開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染の蔓延(まんえん)により、10月に延期されました。さらに、その後の感染状況を見極めた上で、通常の現地開催は断念することになり、「現地開催+ウェブ開催」の形を取ることになりました。

今回の第56回日本腹部救急医学会を担当される、藤田医科大学の堀口明彦教授のご苦労は、計り知れないものがあります。私は5月ごろには、「今年の開催はなくなるのではないか」と思うようになっておりました。私と同じく、東海地方出身者で、長い付き合いの堀口教授が主催される会ですので、全力で応援するつもりでおりましたし、堀口会長からも、ワークショップでの特別発言も依頼されておりましたので、万難を排して名古屋へ行く覚悟でおりましたが、大きな流れとして、ウェブ開催への方向転換はやむを得ない選択です。

さて、ワークショップでの「特別発言」の仕事をウェブ学会ではどういうふうに実行するのかが、私にとっては一つの不安材料でしたが、「どのように準備して、どのように実行すべきか」は、学会準備室からおいおい、指導が来るだろう」と腹をくくることにいたしました。

実は、1か月ほど前に事務局から「特別発言者のスライドを作成して、音声も入れて9月27日までにネットで登録すること」と連絡が来ていたのですが、まだ、中止になる可能性もあると思っているうちに、つい実行を怠っておりました。

私は、そろそろ、ワークショップでの発表者の抄録を送ってもらって、特別発言の内容を考えなくてはいけないので、学会事務局に抄録を早く送ってください、と連絡したところ、もう2日後が締め切りで、そのように前回ご連絡してあるはずです、とおしかりを受けてしまいました。

これは大変だと思って、大急ぎで、一晩で発表スライドを作成し、すぐに学会事務局へ送り、やれやれと安堵(あんど)いたしました。

ところが、事務局からの連絡内容をよく読むと、今回は、発表内容のスライドをつくるのみならず、解説内容を音声入力して、ネットで送らないといけないことが判明しました。

実は、私はパワーポイントを使ってスライドをつくることは、自分でできますが、音声入力の仕方が分からないので、困りました。これは秘書の力を借りて実行するしかないので、締め切り日当日にやっと完成し、送付できました。

初めての経験でしたが、この年齢になって新体験ができて、本当に感激です。郵送のみの時代だったら完全にアウトでした。

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加納宣康 昭和24年8月4日、岐阜県生まれ。一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院院長補佐

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

9月21日20時00分 425

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