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今日、帰宅して何げなくテレビのスイッチを入れると、「おれ達はプロ野球選手だった」という番組が始まるところでした。

華々しいプロ野球選手の地位を失った人達がその後どうなっているかを報道する番組なので、あの人達が今どうしているのか、その後、どう立ちなおって生きているのか、と興味が湧きましたので見てしまいました。

先ず出てきたのが、元巨人の投手・条辺剛さん。彼は、一時はリリーフエースとも呼ばれた人ですから、すぐに分かりました。彼は22歳で年俸3200万円になっていたのに、故障がもとで2年後には解雇されました。まだ26歳です。結婚して奥さんにも支えられ、現在はうどん屋の修業中とのこと。頑張ってほしいものです。

その次は、芝草宇宙さん。38歳。元甲子園のアイドルで、日本ハム、ソフトバンクで活躍した人ですね。肺炎で日本での野球人生を諦めることになったとのこと。その後、台湾球団へ入ったものの解雇され、さらに日本のトライアウトを受けたが声がかからなかったとのこと。37歳で引退を決意。今は就職活動中ですが、まだ子どもが小さく、自分のプロ野球選手としての勇姿を見せられなかったことが残念といいます。20年間活躍した人ですから、現在との落差にまだ慣れきっていないように感じました。

伊良部秀輝さんは誰でも知っている人でしょう。まだ38歳です。ロッテで活躍の後、1997年ヤンキースへ行き、また活躍しました。その後、日本でも再び活躍しましたが、2005年で引退。その後どうしているのかと気になっていましたが、本日の番組で、家族とともにロサンゼルスに住んでいることを知りました。さすがに大リーガーとして活躍した人だけあって生活は楽なようです。うどん屋のオーナーをしながらのんびり暮らしておられるようです。これまで野球が人生のすべてだったが、野球をやめてから読書をするようになった、という言葉が印象的でした。政次経済に興味をもってきたといいますから、以前の「悪童・伊良部」も変身したものです。全く野球とは無関係の生活をしていますが、「野球をやったら気持ちいいという気持は残っている」と言っていましたから、救われた感じがしました。

もっとも泣かせたのは入来智さん。40歳。かつては弟・祐作さんと2人そろって巨人で活躍した人です。華々しい活躍の後、日本の球団を解雇され、その後、韓国、台湾の球団を渡りあるき、その後、引退。この間に結婚も離婚も経験。隠退後は台湾に戻り放蕩生活もしていたとのこと。しかし、その後、18歳の時に出会って一時付きあっていたことのあった人と劇的な再会となり、その人に励まされて引退後の荒れた生活から立ちなおり、昨年結婚。今は、弁当屋で修業しつつ、家族をえて幸せに暮らしています。営業修業中の様子も放映されていましたが、なかなか堂に入っていました。あれならりっぱにやっていけると思いました。

元リストラの星と言われた、宮地克彦さん、36歳、のこともやっていました。二度の戦力外通告を受けても復活した人も、今は独立リーグでプレーイングコーチをしています。まだプロ野球復帰を諦めずに頑張っています。なんとかして復活して「リストラの星」の面目躍如、となってほしいものです。

変わったところでは、元巨人の福井敬治さん、31歳がコメディアンの修業中というのがありました。まだ若いですからこれから芸能界で活躍できる可能性があると期待しています。

元プロ野球選手だった人達のその後の人生はいろいろです。引退後もプロ野球の世界でそのまま生きていける人はほんの一握りですから、その他のひと達がその後どんな人生を歩んでいくのかは人間ドラマをみるようなものです、興味あるものです。今日の番組を見て、引退を迎えて、それまで天国にいた人達が、金銭的には地獄に堕ちるような経験をしながらも、これからも積極的に生きようとする姿勢に感激しました。「引退後」とはいっても彼らはまだまだ若いのです。第2の人生で成功してくれうるようにと祈っています。

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加納宣康 昭和24年8月4日岐阜県生まれ。現在、亀田総合病院特命院長補佐、主任外科部長、内視鏡下手術センター長、マハトマ・ガンジー・メモリアル医科大学名誉客員教授、帝京大学医学部外科学客員教授

(この原稿は加納医師が、本紙読者のためにボランティアで執筆しています)

07年9月17日 46,614
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