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有料道路東側のロープ登り

【第20回】 鴨川有料道路へ コブの連続

4日目終えて

苔むした岩の香木原峠を後に、北側に出てさらに右に登る。ここから先もフタコブラクダの連続である。

正月のお飾りに不可欠なウラジロが密生していて、ウラジロの海のような場所が続く。峠から20分歩くと、山神社の石碑のあるピークになる。石も新しく最近のものだ。

ここから先は、登って降りて、登って降りての繰り返し。北側は香木原カントリークラブ。ときおりドライバーで打つボールの音が聞こえる。

尾根筋にはやぶがなく、踏み跡もしっかりしているが、何しろアップダウンが激しい。足に疲労感が漂うが、苦痛ではない。

香木原峠から凸凹と格闘すること1時間。やがて尾根は鴨川有料道路で分断される。V字谷のような沢筋を慎重に降りていく。道は両側手すりのコンクリート階段になって、ここを降りると鴨川有料の路面になる。自動車専用道路ではなく、自転車も通る道だ。だが、登山者が横切る構造ではないので、ちょっと罪悪感がある。が、尾根を切って道ができてしまったのだ。尾根歩きをするハイカーにとっては、この道を横断せざるを得ない。

車が途切れるのを待って反対側に渡る。渡った先はコンクリートの壁面で、ここを何とかよじ登る。これまで登ってきた岩尾根や木の根崖よりもよほど難度の高い壁である。人工物は怖いと感じる。

ふさがれた旧道トンネルの銘板

コンクリート崖を登った先は、右手方向にかすかに旧道の跡がある。やぶをかき分け進んでいくと、錆びかけた「鴨川市」の道路標識がある。その先にはふさがれたトンネル。坑道上部に銘板が埋め込まれていて「鴨川有料道路 第一隧道 昭和41年1月竣功」と彫ってある。

昭和41年に開通した鴨川有料の初期は、この旧道トンネルを通っていたことになる。現在はトンネルの西側を開削し、立派な自動車用道路になっている。

ふさがれたトンネルの右手をよじ登る。下は道路で眼もくらむ高さである。旧道トンネルの真上を通って、元の尾根筋に戻る。小さなピークを過ぎ、ここでいったん山を降りる。急な下りを下って、廃道へ。これが古い鴨川有料の路面である。

「ようこそ鴨川へ」の看板横を歩いて、鴨川有料のパーキングへ。このテーブル・ベンチで一休み。尾根旅4日目が終わる。遥か西側に昼食を食べた鉄塔62号が見える。あの尾根を歩いてきたのだと思うと、充足感が支配した。

(つづく)

【写真説明】有料道路東側のロープ登り

【写真説明】ふさがれた旧道トンネルの銘板

08年1月26日 20,579
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