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鉄塔99号ピークからの小湊の眺め

【第28回 大風沢トンネル上へ】

6時間半歩いて国道へ

沖見テラスで温度計を見る。気温10度。腕時計の簡易高度計は190bを示している。長い時間休むと体が冷えるので、出発。尾根筋をさらに南下していく。

西側の大見山が見え、その右に妙見山が座る。露岩の多い尾根で、タヌキやシカの足跡もあちこちに散見できる。いくつかの分岐を経て、尾根を行く。西側に大きな尾根が横たわる。40分のロスをした尾根が目の前になる。ひとつ尾根を間違えれば、まったく違う山になる。げに恐ろしき山並みである。

急傾斜を下り、岩のアップダウンを続ける。沖見テラスから40分で東京電力の「外房線98号に至る」黄色標識のある小さなピークに。「天・浜・清財産区」の境界杭が埋まる。このピークを過ぎると、左手にその98号鉄塔が見える。

芸術的な木の根の尾根

10分歩くと、今度は外房線99号の鉄塔があった。高圧送電線はこの尾根を東西に走り、さらにこの南で分岐し、小湊線となっている。この99号鉄塔ピークから、南側の眺めが素晴らしい。内浦湾とホテル群、鯛の浦に近い入道ヶ岬という絶好の眺めである。海にはさざなみが立ち、沖見テラスよりもっと近くに海を感じることができる。

さらに南へ下ると、外房線100号の鉄塔。この前後の尾根は、トージを代表とする常緑樹の自然林で、木の根が表面に浮いている。木の根の連続は芸術的でもある。

100号鉄塔から10分で、「天津1号鉄塔に至る」黄色標柱。そのまま進むと20分で、小さなピークとなった。ここを滑山という。標高は170b。木の根が浮いて、南側にはトージの植林がある。海が近いのだろう。千倉の高塚山のトージ林を思わせる植生である。

ここから先は、アップダウンのラクダの背を行く道。支尾根が複雑で、何度か道を確認しながら歩く。比較的近くに救急車のサイレンが聞こえる。市街地が近い証拠だ。

尾根に赤いペイントの「工」マークの立派なコンクリート杭が打たれている。この下がJR外房線の「大風沢(おおびそ)トンネル」なのだろう。もうJR安房天津駅もすぐそばだ。

トージ林の急な斜面を無理やり降りていく。道なき道である。何とか降りて、コンクリート道に。すぐそばに大風沢踏切がある。踏切を渡って左が安房小湊駅。そのまま国道へ出た。

登り始めて6時間半。大トレッキングの6日目が終わった。

(つづく)

【写真説明】鉄塔99号ピークからの小湊の眺め

【写真説明】芸術的な木の根の尾根

08年2月6日 39,307
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