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鴨川・勝浦市境のV字谷の峠

【第30回 岩高山へ】

安房最東端の三角点峰

日蓮寺境内で歴史に触れ、本堂に頭を下げる。下から2人の女性が上がってくる。熱心な信者なのだろう。毎日、お参りしているのだという。

小休止後、出発。境内右手奥に道があって、露岩の山道を登る。この道が市坂で、歴史を感じさせる古道である。岩肌を登る道は、鋸山を彷彿とさせる。さすがは「東の鋸」である。

尾根筋に道が切られていて、落ち葉が積もる。高僧も通ったのだろう。大きなコブは切り割りになっていて、歩きやすい。日蓮寺から15分で、V字谷のようになった峠になる。ここにフェンス状のゲートがある。すでに扉もなく、半ば壊れかけている。このフェンスをくぐる。ここが鴨川市(旧天津小湊町)と勝浦市の市境である。ここからこの市坂を東進すれば、勝浦の台宿へ出るが、今回は東の鋸・岩高山を目指すので、市坂から左手に尾根を登る。

杉林の中を進み、急な上りをぐっとこらえる。しばらく行くと、人の背よりも高いフェンスが出現する。フェンスは、ここから市境に延々と続く。境界杭よりも勝浦市側に張り巡らされているので、勝浦側が有害鳥獣の越境防止に設置したものだろうか。

岩高山山頂からの北側の眺め

このフェンスは、尾根の境界ラインに沿って、ずっと続く。ときおり、支線の針金が出ていて、ハイカーの足を取る。すでに錆も出ていて、獣道との交差には、ところどころフェンスに穴がある。当初は効果があっただろうが、敵もさるもの、現在は穴から通過しているのだ。

尾根は市境になっているから、このフェンス沿いを歩く。頑丈なフェンスに沿って足を取られながら歩くと、何だかこちらが獣になったような気になる。いくつかのアップダウンを過ぎ、V字谷から20分で支尾根へ出る。フェンスはこの先、東に伸びるが、岩高山への支尾根は北へ伸びる。このピークでフェンスとお別れし、なだらかな尾根を進む。5分ほどで岩高山のピークが現れる。房州最西端の鋸山一等三角点から歩くこと7日目。ついに房州最東端の三角点に到着した。

三角点名は岩高山でなく「内浦」で、二等三角点。標高は206・9bである。山頂は三角形の平地があり、10人ほどは立てるだろうか。雑木が伸びていて、すでに潅木というレベルではない。かつては眺めが良かったというが、もう少し枝を払わないと、せっかくの東の鋸が魅力半減である。

枝の間から、北側の妙見山、高天神、麻綿原天拝園が見える。南側はおせんころがしあたりの海か。樹木が邪魔で、はっきりと確認できないのが、残念である。ザックの寒暖計は4度を示している。冬晴れの空が、最東端三角点到着を祝ってくれるように、晴れ渡る。

(つづく)

【写真説明】鴨川・勝浦市境のV字谷の峠

【写真説明】岩高山山頂からの北側の眺め

08年2月8日 41,161
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