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雄大なスケールの男滝=南房総市荒川

[第4回]外野不動滝(上)(南房総市荒川)

前編 雄雄しく落ちる男滝

いくつもの滝が連なり、険しい流れを形成する場を連瀑、あるいは瀑布帯という。標高の低い山が多い房州では、そんな瀑布帯など存在しないと思う人もいるだろう。が、実際にはいくつかの連瀑がある。外野の不動滝(男滝・女滝)を主滝とする瀑布帯は、その代表格である。

坊滝(南房総市増間)を主滝とする増間川上流の連瀑に擬木が築かれ、林道から気軽に見物できるのに対し、外野瀑布帯は人の視線と隔絶した位置にある。それは下りるのが難しい県道の直下という、位置条件があるからだ。

主要地方道富津館山線の下にある。鋸南町勝山側から伸びる県道外野勝山線が富津館山線と合流する地点が外野で、主滝は外野協同館の建物の下にある。平久里川の支流、外野川だ。

小さくても迫力ある下流第1滝=同

この連瀑を歩くには、下流の県道からやぶをこいで、いったん川底に下りる必要がある。が、富津館山線沿いの平久里川は、ケンチブロックに両岸を固められ、そう簡単に川には下りられない。なんとか強行突破し、川底を目指すが、やはり高いブロックが人を拒む。フジづるにつかまって下りたが、すぐに砂防ダムがあって、ここを右に高巻きして山へ分け入る。やぶをこぎ、倒木をまたぐ。滝探検には苦労が多いのである。

川へ出て浅い流れを遡行する。県道を下りて15分ほど歩くと、最初の滝が出現する。主滝の不動滝からみると、下流の第1滝だ。幅5b、高さは3bほどか。小さな段差があり、音を立てて水が流れ落ちる。しばらく遡行すると、下流の第2滝が出る。幅広い滝で高さは3bほどか。

この2つの滝を過ぎると、主滝である不動滝が左手に飛まつを立てて流れ落ちる。高さは23bといい、垂直の岩肌を豪快に流れ落ちる。懸垂型の大滝である。垂直落下した滝は、いったん岩目に沿って右手に「くの字」に曲がり、やがて垂直落下する。滝の下段部分の岩がえぐれていて、ここから豪快な落下を見せる。

この主滝を「外野の不動滝」と呼ぶ。不動滝は夫婦滝となっていて、こちらを男滝という。男滝は実は、鋸南町方面からの支流の流れ込みで、本流は右手の女滝である。

(この稿、次週に続く)

【写真説明】雄大なスケールの男滝=南房総市荒川

【写真説明】小さくても迫力ある下流第1滝=同

09年8月3日 8,714
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