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かじか橋と対岸の沢山不動=南房総市上滝田

[第9回]棒滝(南房総市上滝田)

ひさしのある特徴的な滝

房州滝めぐりは、半島南部の山間部・三芳地区に移る。房州最大の滝とされる、坊滝を代表格に、三芳地区は滝が多い場所として知られる。旧村名に「滝田」があるほどだから、滝はあちこちに点在するのである。

そんな三芳地区からは、代表的な滝をいくつか取り上げたい。

棒滝は、坊滝と混同しやすいが、坊滝は増間の名瀑、棒滝は上滝田の沢山不動近くの懸垂型の滝である。棒のように流れ落ちるゆえの命名だろう。

主要地方道富津館山線が県道富山丸山線と交差するのが、上滝田地先。ここを丸山方面に折れ、増間へ。途中、左手に折れる「沢山不動」への標識が出るので、これに従う。いくつか分岐はあるが、標識に従えば、沢山不動へ着く。ここまではクルマで入れる。路肩に駐車し、いざ滝めぐりへ。

特徴的な姿で落ちる棒滝=同

沢山不動は平久里川水系増間川支流の長沢川上流にある不動尊である。地元の信仰があつく、毎月28日には縁日があり、近郷の人たちでにぎわう。不動堂の前に房州では最大級のつり橋がある。県が平成10年に建設し、当時の村によって「かじか橋」と命名されている。

この橋を渡って、対岸の「Zワンダー公園」へ。擬木の階段を下ると、川底に下りられる。ここに木製の東屋橋がかかる。橋を渡らずに左手川面へ下りる。上流へ注意して沢の中を歩くと、目の前に開けるのが棒滝の雄大な姿である。

黒々とした岩肌を真っ白な流れが落ちていく。滝つぼから上5bほどの位置に、突き出した岩のひさしがあって、白い流れはここまで岩肌を伝わり、ここで垂直降下する。ひさしの出っ張りを流れる特徴的な滝で、房州では珍しい形態だ。

三芳村史によれば、硬い頁岩層の上を流れているといい、流れが棒のように見える。

滝つぼ上の岩には、硫黄が染み出ており、ここでも鉱泉の香りが漂う。滝全体は幅8bほど、高さは10bほどだろうか。

棒滝は長沢川の右股の支流で、この滝の下流の東屋橋で、沢山不動滝の流れと合流することになる。

【写真説明】かじか橋と対岸の沢山不動=南房総市上滝田

【写真説明】特徴的な姿で落ちる棒滝=同

09年9月7日 10,150
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