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6段に落ちる主滝部分=南房総市上滝田

[第10回]沢山不動滝(南房総市上滝田)

深山幽谷楽しめる滝

長沢川の左股が本流となっており、平久里川水系の源流部分となる。この左股にあるのが、沢山不動滝である。現地看板では、棒滝と不動滝を合わせて「七ツ滝」としているが、流れが別になっているので、本連載では別の滝として扱いたい。

原稿と地図は前回を継続する形だ。

東屋橋のすぐそばに、東屋があるので、ここを先に進む。黄色いチェーンが渡してある。「この先危険」という意味だろう。川底へ下りるには鉄はしご(ステップ)を使う危ない場所もあるので、不動滝を眺めたい人は、上のつり橋からがいいだろう。ベテラン以外は近寄らない方が無難だ。

鉄はしごを慎重に下りると、岩盤の川底となり、流れの中を注意して歩く。下流から見ると流れは左に曲がっていて、その先に6段になって滑り落ちる連滝がある。

主滝は正面の3段部分だろう。それぞれに滝つぼがあって、豪快に滑り落ちる姿が見られる。立派な建物の不動堂といい、つり橋といい、周辺全体が深山幽谷の雰囲気があり、気が鎮まる場所である。

女滝の様相を見せる滝の行水=同

流れの中にカジカガエルが棲(す)んでいるのだろう。近くに独特の美声が響く。滝で飛まつ浴をしながら、カジカガエルの声に耳をそばだてる。とても、ここが房州とは思えない。

クルマに戻るには、擬木の階段を上ればいい。他の滝とは違う点は、この整備性だろう。滝下に下りないのなら、足元さえしっかりすれば、この深山幽谷が気軽に楽しめるのだ。

つり橋からZワンダー公園、棒滝、沢山不動滝と巡って、クルマへ戻る。ぐるっと短時間で楽しめる場所だ。

不動堂へ戻ると左手林道方面に「滝の行水」という看板が出る。擬木の階段になっていて、ここを下りていくと、6段部分の上流になる。正面の杉に注連縄が飾られ、その先に面滝となって白く落ちる滝が現れる。これが滝の行水である。幅は10b、高さは5bほどか。下流側の6段部分が男滝とすれば、この面滝は女滝だろう。6段と合わせて7つ滝である。

この滝の左側岩盤に、岩を穿って不動尊の石像が安置されている。小さいが流れに負けない立派な姿である。この面滝は安全に眺められるので、ここを先に眺めるのがいいかもしれない。

滝全体には、危険な部分もあるので、立ち入るのは十分注意されたい。

【写真説明】6段に落ちる主滝部分=南房総市上滝田

【写真説明】女滝の様相を見せる滝の行水=同

09年9月14日 9,485
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