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房州で一番有名な坊滝の姿

[第11回] 増間七滝・坊滝(南房総市増間)

房州最大で最有名の滝

房州で一番有名な滝といえば、この坊滝だろう。増間七滝の主滝をなす、房州最大の滝でもある。平成3年の一連の整備で、下流の前惣引きの滝から坊滝まで、一部に擬木の階段が取り付けられ、七滝のうち3滝は比較的安全に見物できる。林道沿いに歩けることも、有名になった要因である。

クルマは大日山登山口にあたる、公共駐車場に置く。増間ダム下で、公衆トイレもあるので、女性でも安心だ。

林道増間線はクルマも走れるが、路肩が弱いので遠慮したほうがいい。何より、歩いて巡るほうが健康的だ。ハイキングがてら滝を訪ねるのも楽しい。健脚派ならそのまま大日山(標高333・3b)まで足を伸ばしても楽しい。

林道は増間ダム湖に沿って北へ伸びる。増間川上流に沿った道だから、歩くと常に右側下に川を見ることになる。ダム湖が終わると、前惣引きの滝になる。ここが毎年3月1日に行われる御神的(おまと)神事で射手が水浴潔斎する滝である。そのまま行くと後惣引きの滝となる。増間川はこの先で二手に分かれ、右股が坊滝へ続く本流である。

林道のヘアピンカーブを曲がると、切り割りになる。右下に薬研の滝があり、続いていくつかの滝があるが、谷が深いので近寄らない方が無難だ。

七つ滝のうち最大の坊滝は、最後に訪れる。平成4年に三芳村(当時)が掲げた立派な看板があるので、すぐに分かる。大日山ふもとの閻魔寺(廃寺)の住職がここで修行の水垢離をしたことから、坊滝となったと、いわれが書かれている。

この看板を右に見て、擬木の階段を下っていく。落下音がだんだん近くなる。カジカガエルの美声も聞こえてくる。階段を注意して下りると、目の前に優雅な瀑布が広がる。

滝上から二股に分かれる特徴的な滝だ。左股は水量は少ないながら1条になって落下。右股は滝上から扇状に広がってなだらかに落ちる。取材日は雨で、豊富な水量が見事な2条滝となっていた。右側の流れは岩に伝わって広くなり、この滝の姿を象徴している。左側滝下は人が打たれるようなスペースがある。かつての閻魔寺僧侶はここで水垢離したか。

公式な高さは26b。房州最大規模の滝である。

2万5000分の1地図には、滝記号の記載と坊滝の名がある。前の6滝の掲載がないが、増間七滝は有名だから、1つでも記載があれば御の字だろう。

この有名滝も、林道工事や崩落防止工事で、少しずつ姿を変えている。いつまでも残したい美滝である。

【写真説明】房州で一番有名な坊滝の姿=南房総市増間

09年9月19日 11,770
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