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二股が合流する塩浦不動滝

[第17回] 塩浦不動滝★しおうらふどうだき★(南房総市白浜町白浜)

信仰の対象となる美滝

塩浦にはもうひとつ、立派な滝がある。比較的近くに存在するので、両滝が混同されやすいが、西側にあるのが小滝涼源寺の滝、東側が塩浦不動滝である。

クルマは入れないので、安全な場所にとめ、塩浦の国道沿いの浅間神社から白浜東部保育園方面へ歩く。左手に保育園を過ぎると、川止めの人工堰がある。この堰のある川を境川という。その先の民家を左に見て、農地の間を歩く。人しか歩けない細い道ながら、草刈り管理された立派な道である。

水量が多いときは、保育園からでも滝が視認できる。道を行けば、瀑音が響くので、音に案内されるように進む。

この滝は独特の姿をしている。上流が二股になっていて、左股がやや細く、右股が太い。その流れが中ほどで合流し、大きな滝となって流れ落ちる。岩肌を白い流れが落ちていく。見事というほかはない美滝である。

滝の下部は末広がりに

滝つぼは逆三角形をしていて、下流側の上にコンクリートの小さな橋が架かる。ここまでの道といい、コンクリ橋といい、ずいぶんと滝見の環境が整っている。

これは、地元の人の信仰が深いためだ。滝の左手に間口5b、高さ3b、奥行き3bほどの岩屋がある。穴の中の正面と左手に石仏がある。不動明王だろう。竹ぼうきやバケツもあるので、地元の人が足しげく通っているに違いない。岩屋までの階段も整備され、独特の雰囲気が漂う。

高さは20bほどか。水量が豊かなときに観賞するのがいいだろうが、枯れた姿も美しいはずだ。滝を含めて周辺全体が信仰の対象である。房州寂名瀑の代表格かもしれない。

ここは静かに滝観賞をしたいものである。

【写真説明】二股が合流する塩浦不動滝=南房総市白浜町白浜

【写真説明】滝の下部は末広がりに=同

09年10月31日 10,754
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