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岩肌を白く伝わる白間津の滝

[第18回] 白間津の滝・白間津不動滝(南房総市千倉町白間津)

小さな集落に並ぶ2滝

滝の定義は「河川にできた河床の段」。地形学の専門用語では、遷急点などという。岩を流れる川が、段差をつくる。これが滝である。河床は水で削られ、下流側に段差ができる。段差は歳月とともに削られ、滝は上流に移っていく。

われわれは、この時代にたまたま、そこにある川の段を滝として観察していることになる。

地形によっても滝の形成は異なる。房総半島南部の太平洋側は山がせり出していて、河川は急激にここを落ち込む。水量は少ないが滝のできる地形が多いのである。

白間津地区には2つの小さな滝が並んで落下する。海から見て左側の「寺第一堰」から落ちるのが白間津の滝、その右側の海雲寺裏に落ちるのが、白間津不動滝である。ごく近くにあるので、ここでは一緒に紹介しよう。

白間津地区の国道より北側は、生活道路でクルマが入る余地が少ない。ましてや滝見の人は海岸に止めて歩くべきだろう。ハイキングを兼ねて生活道を歩き、地元の人と会話するのもまた楽しいものだ。

海雲寺裏で一条に落ちる白間津不動滝

農地と宅地が点在する地域を海雲寺に向って歩く。寺は日枝神社の西側の奥まった位置にある。本堂の裏側に回ると、一条の美しい滝がある。高さは10bほど。糸状に落下する小さな美滝である。

寺の敷地内なので、滝下までコンクリートで固められている。滝つぼは半円形で、垂直に切り立った崖を滝が流れ落ちる。本堂前は海風が吹き、心地よい。

海雲寺を後にし、海に向って右手に入って、農地の間を縫う作場道を歩く。耕作のための道なので、荒らさないよう気をつけよう。

5分ほどで、竹やぶの中に流れが確認できる。生い茂ったやぶをかき分けると、雨上がりには豪快に広がって落ちる滝が出る。高さは8bほどか。岩肌を滑り落ちるナメ滝である。こちらの滝つぼは、ほぼ円形。堰の下のかんがい設備なので下流にコンクリート設備がある。上の堰の余水吐けが滝として落下するので、雨上がりを選んだ方が、観賞に向いている。

小さな集落に、2つの美滝が並ぶ。白間津は水豊かな里である。

【写真説明】岩肌を白く伝わる白間津の滝=南房総市千倉町白間津

【写真説明】海雲寺裏で一条に落ちる白間津不動滝=同

09年11月7日 11,223
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