企画・エッセイ » 記事詳細
チョンチョン橋下の流れ

[第20回] どんどん淵の滝―どんどんぶちのたき―(南房総市千倉町北朝夷)

岩盤の清流に歴史ある滝 前編

川尻川は、千倉地区の山中を源流に、南千倉海岸で太平洋に注ぐ2級河川。房州の山のパイオニア、山口一嘉さんが「中流域に滝がある」と案内してくれた。

料理の神様として知られる、高家神社を右に見てそのまま道なりに進むと、消火栓のある交差点を過ぎる。100bほどでコンクリート橋となる。この橋をチョンチョン橋という。

房州では河川を飛び石で越えることを、チョンチョンぱねなどという。ここに架橋されるまでは、川底をチョンチョンぱねしたのだろう。橋の上流側に農業用の取水施設がある。川底に溝が切ってあって、2枚の羽目板を立てることで、水を導くシステムだ。

橋の下流側は幅20bほどに広がる岩盤で、一面に水が流れる。右岸に小径があるので、注意深く下りていく。ここにもコンクリートの用水路が切ってある。川底に下りて上流方面を見る。川幅いっぱいに水が流れ、房州には珍しい広い面滝になっている。高低差は橋の前後で5bほどか。

チョンチョン橋から川尻川の下流を目指す。右岸に引かれた用水路沿いに歩くと、やがて水田が出る。農地と川の間に赤道があるので、ここを歩いて下流を目指す。やがてポンプ場の建物が見えるので、ここから川へ下りる。川幅いっぱいにコンクリート堰堤があって、ここで川尻川の水が集められている。水は右岸に寄り、狭い水路となって下る。ここに板を張って堰き止めてポンプアップしたのだ。地元の人によると、かつては簡易水道として使われていたが、現在は使われていない。

堰堤の上を歩いて、そのまま左岸の竹やぶの中を歩いて下る。広い岩盤部分に出る。川はこの滝の下で広く大きな淵となっている。これがどんどん淵だ。

淵には人工構造物が多い。右岸は石積みがあって苔むしている。左岸は岩肌になり、この大きな淵を形成している。滝の下流は深いが、その下流部分は石畳のような平坦な部分が続く。

滝は右岸側に垂直に落ちていく。コンクリート堰堤にたまった水は右岸側の導水路に入り、この滝で一気に落下する。豪快な音を立てて落ちるのである。この音がどんどん淵の由来だろう。

滝は幅1b、高さは5bほど。広い淵は直径20bはあろうという大きさだ。房州では珍しい淵だろう。

この川の中流は川水活用の場として、歴史的な価値がある流域である。

【写真説明】チョンチョン橋下の流れ=南房総市千倉町北朝夷

【写真説明】下流にあるどんどん淵の滝=同

09年11月21日 10,414
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved