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細いが美しい菅田の滝=南房総市千倉町大貫

菅田の滝★すげだ たき★(南房総市千倉町大貫)

新道でデビューした滝

若葉萌える季節。どこかに出かけてもいいが、地元・房州でもプチ旅行°C分が楽しめる場所がある。館山市稲と南房総市白浜町白浜を結ぶ基幹農道(通称・安房グリーンライン)の中ほどにある「菅田の滝」だ。落差5bほどの小さな滝だが、グリーンラインをドライブがてら、訪れるのも楽しいだろう。

館山市方面から白浜を目指す。水田地帯を過ぎると道の上り斜度が増す。やがて道は低いながらも、尾根部分を通る。低いけれどもスカイラインである。県道館山大貫千倉線と交差する信号機を過ぎ、右手に小松寺入り口を見てそのまま進むと、揺るやかな右カーブとなり、道路左に滝の看板が出る。看板の反対側が地区の共有地で、ここにクルマをとめて、歩いて滝見物ができるのだ。

看板の下から土の小路を左へ進む。少し不安になるが、滝上まで進める道である。滑り止めの長靴があればベストだが、ハイキングシューズ程度で歩けるだろう。階段や木の板橋などがあって、小さな右カーブを曲がると、左の崖下に小さな滝がある。これが菅田の滝である。

上流は横じま溝の地層が=同

取材では別の崖を無理やり下って、滝下へ出た。小さな沢があって、やぶもある。写真撮影のために下りたもので、滝見の人は上の小路からでも楽しめる。

高さは5bほど。一条の流れが苔むした岩肌に沿って落ちる。小さな丸い滝つぼが形成されているが、水量が少ないため、豪快さはない。

撮影を終え、がけを上って滝上に出てみる。そのまま土の道を進むと、滝の上流域に出る。横じま溝のある地層の岩盤で、ここで流れは5段になって滝へと注ぐ。沢はV字谷のような地形になっている。全体的にスケールは小さいが、房州の滝として楽しむのはこの程度で十分だろう。

沿道にある滝の看板

滝は地元・大貫の人が知る程度の存在だった。新道が通ることを受け、地元が行政サイドに要望し、看板と小路ができた。大貫区ではこの滝を含め、道路に隣接する共有地を有効活用していく方針だ。

水系は千倉町で太平洋に注ぐ、瀬戸川である。小松寺の前を流れる川で、ここは支流にあたる。菅田は大貫の小字で、グリーンラインの工事では、この滝の下流部分に盛土して、道をつくっている。沢の流れはこの道路の下をヒューム管で通り、小松寺先で本流と合流するのだ。

大きな看板なので期待感を高めて訪れると、少しがっかりするかもしれない。が、これが房州寂名瀑の標準サイズである。この滝の白浜寄りには日本最大級の大規模海底地すべり地層「白浜巨大乱堆積層露頭」がある。滝と地層のセットで楽しめば、どこか遠くへ出かけた気分だ。

【写真説明】細いが美しい菅田の滝=南房総市千倉町大貫

【写真説明】上流は横じま溝の地層が=同

【写真説明】沿道にある滝の看板

10年4月23日 12,520
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