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豪快に落水する黒滝=南房総市和田町花園

[第1回]黒滝★くろたき★(南房総市和田町花園)

房州屈指の有名¢

増間の坊滝と並び称される、房州一、二を競う有名¢黷ナある。坊滝が林道はるか奥に位置するのに対し、黒滝は比較的市街地にある。クルマで滝近くの花園(はなその)広場まで行けるので、ハイカーでなくても滝見ができるのがうれしい。

国道128号の花園地区から抱湖園方面に行く。JR線の踏切を渡り、花嫁街道のハイキングコースの看板にしたがって進む。狭い道だが普通車でも走れる。花嫁街道ハイキングコースの入り口を左に見て、そのままコンクリ道を進むと、花園広場になる。農村公園の趣で、他者の邪魔にならないよう、隅にクルマを止める。

黒滝方面への看板にしたがって歩くと、やがて小径は川に沿う。これが2級河川・長者川である。この滝へのアプローチはコンクリート歩道がしっかりしている。右岸のコンクリ歩道を歩くと、渡河するようにコンクリが置かれていて、左岸へ渡る。やがてまた右岸へ戻るコンクリがあって、これを進むと川は左に曲がる。渡し板を踏んで左に進めば、そこに懸垂型の美滝が待つ。

滝まではしっかりした歩道がある=同

高さは15b。幅は2bほどか。正面岩肌から豪快に垂直落下する滝である。取材日は雨上がりで、力強く水しぶきを上げていた。雨上がりでなくても、それなりに水量があるので、滝見には絶好の場所である。足元さえしっかり備えれば、子どもでも見物できる。コンクリ歩道のお陰である。

気軽に訪れることができるので、俗化されているかといえば、さにあらず。滝周辺は深山幽谷を思わせる雰囲気が漂い、すばらしい場所だ。滝の右手に、木材で積み上げた滝見やぐらがあって、この上からも滝を見物できるが、この幽谷のムードを少し壊している感もある。滝見やぐらの奥に、向西坊の入定窟と不動明王が祀られる祠がある。向西坊は群馬県安中市出身の武士で、この地でこの地の安泰を祈って生きて仏となった。毎年春には群馬県の関係者も訪れ、この入定窟で供養祭を開いている。それゆえ、道も整備されているのだろう。

単なる滝見物もいいが、お勧めなのは花嫁街道をハイクすること。烏場山(標高266b)をピークとする時計回りの素晴らしいハイキングコースがある。5時間ほどの楽しいコースなので、ここを歩くといい。下りの花婿コースを歩くと、やがてこの黒滝に出合う。山を楽しんだ後にある美滝。それだけで得した気分になること請け合いだ。

【写真説明】豪快に落水する黒滝=南房総市和田町花園

【写真説明】滝まではしっかりした歩道がある=同

10年6月28日 9,338
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