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美しく豪快に広がって落ちる亀割の滝

[第11回] 亀割の滝(かめわりのたき 鋸南町大崩)

志駒川上部にある面滝

水ノ台の滝の下流にはもうひとつ、美滝があるという。「滝の旅人」こと、う沢喜久雄さん=いすみ市在住=は、この滝を仮称で「亀割の滝」と呼んでいる。周辺に民家はなく、滝の名称を訪ねる機会もない。ここは先達に敬意をはらい、亀割の滝としよう。

町役場で調べたら、亀割は大崩の小字。「小字+滝」の法則で、亀割の滝である。

水ノ台の滝と同じく、滝の前後は三面コンクリートなのだが、この滝だけは岩がむき出しなのだ。「滝見ニスト」としては、非常にうれしい心配りと感じるのである。

アスファルト道の路肩にクルマをとめ、川へ降りる場所を探す。三面コンクリート張りなので、おいそれとは川に近づけない。道と川面の高度差もかなりのもので、ここは慎重に下流側の取り付きを探す。

滝の100bほど下流に、蛇かごを積んだ護岸があるので、ここを三点確保で降りていく。川底は堆砂があるものの、コンクリート面。しかも右岸、左岸ともに幅50aほどの歩道≠フような面があるので、ここを上流に向かって歩く。

そのまま歩くと、正面に大きな面滝が現れる。幅7b、高さは6bほどだ。高さより幅のある滝を面滝と呼ぶ。写真構図上はヨコ位置での撮影が似つかわしい。

向かって左の流れが主滝で、右が副滝か。雨中の取材なので、水量はかなり豊富だ。しばし、滝の前でしぶきを浴びる。寂名瀑浴≠ナある。

下流側は三面コンクリート=同

細川は長狭街道を暗きょでくぐり、富津市側で志駒川の本流と合流する。地図の上では、富津市は長狭街道のこの場所で南側に張り出し、鋸南町側に食い込むような形になる。この富津市部分周辺が谷になっていて、周辺に降った雨だけが、志駒川になるのである。

横根峠の西側は保田川水系、金束・山中の境の東側が、加茂川水系だ。複雑な地形は複雑な水系を生み出す。周辺では川が立体交差のようになっているのだ。その分、多くの滝が存在し、それを見つけ出す喜びもあるというものだ。

蛇かごの護岸を注意して上り、クルマへ戻る。これで長狭街道沿いの滝めぐりが終わりかと思えば、さにあらず。鴨川市金束にも、もうひとつ、美しい滝があるのだ。それは別の機会に。

【写真説明】美しく豪快に広がって落ちる亀割の滝=鋸南町大崩

【写真説明】下流側は三面コンクリート=同

10年9月4日 6,916
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