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南房総安房地域の日刊紙 房日新聞: 企画・エッセイ
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橋下で二股に落水するザーザンボ

[第15回] ザーザンボ(南房総市富浦町深名)

その音から命名された滝

房州の滝の取材を続けていると、掲載に迷う滝も出てくる。人工の要素が強かったり、涸れ滝(滝もどき)だったり。このザーザンボも逡巡した滝のひとつ。昭和57年にこの滝で子どもの死亡事故があったからだ。掲載するかどうか迷っていたが、地元の人たちから掲載を望む声が寄せられた。本連載では、富浦地区から大房不動滝しかリストアップされていない。「ぜひザーザンボも」という声だ。強い愛郷心なのだ。

水系は富浦湾に注ぐ2級河川・岡本川。支流・丹生川の川回しでできた滝である。八束地区の水田かんがいのため、上流の谷あいが堰き止められ、昭和15年に丹生の堰がつくられた。深名・青木地区に水を送るため、深名地先で川回しされ、この崖を川が流れるようになった。

滝上の用水を腰廻(こしめぐり)用水といい、橋を腰廻橋という。用水は昭和63年に改修されて電動式ゲートになり、同じ年に道路改良で新しい橋も架かった。滝は新旧2つの橋の下に豪快な姿を見せている。腰廻は深名の小字である。

橋の下流側から慎重に川底に降りる。両岸がケンチブロックで、降りる手がかりもない。危険なので市道上から眺めておくほうが無難だろう。

新腰廻橋の下へ出て、滝と正対する。川水は電動式ゲートから旧腰廻橋の下を通り、3段になって広がって落ちる。2段目の小さな滝つぼから下が大きな岩になっていて、ここで二股に分かれる。左股が主滝で豪快な流れ、右股は副滝で細く美しい流れとなる。晴天続きなら左股だけの流れである。また、水稲栽培時にはゲートが下ろされ、農業用水として利用されるので、滝の流れはなくなる。

橋上から眺めるザーザンボ

高さは8b、幅は6bほどだろうか。新旧2つの橋、両岸がケンチブロックという人工要素が強い滝だが、こうして正面から滝を眺めると、どうしてどうして、なかなかの美滝である。

左股の左側に小さな穴がある。これが「ハヤブテ」の穴で、用水のために電動ゲートが降ろされると、水は右岸に寄って流れ、暗きょを通って深名・青木地区の用水路に流れていく。その余水吐けが、このハヤブテである。農業用水は深名・青木の農地に毛細血管のように張り巡らされ、水田を潤す。農業と水は切っても切れないが、この腰廻用水が果たす役割はあまりにも大きい。

ザーザンボとは珍しい名前だが、水音からそう呼ばれるようになったのである。川回しでできた滝なので、比較的新しい滝だ。それまでなかった場所にザーザーと音が広がる。周囲は人家も少なく、夜などは不気味な感じがしたのだろう。地元の人たちも滝音に恐れを抱き、ザーザンボと呼ぶようになったのだ。死亡事故があって、その恐れはさらに強くなった。

が、この滝の水は、下流域の農家にとって不可欠な水である。滝はときに畏怖される対象であるが、人々の生活と密着した存在でもある。このことを肝に銘じておきたい。

危険な場所なので、滝見物は橋の上からにしたい。

【写真説明】橋下で二股に落水するザーザンボ=南房総市富浦町深名

【写真説明】橋上から眺めるザーザンボ=同

10年10月2日 6,671
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