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倒木は多いが美しい姿の仲根の滝

[第33回] 仲根の滝 (なかねのたき 鴨川市西町)

倒木の中に潜む美滝

鴨川市の東条地区を代表する滝である。仲根は滝の所在する小字。水系は亀田総合病院近くで太平洋に注ぐ夜長川である。

もうけ神社の上に、この滝はある。神社のわきを流れる三面コンクリートの小川を遡る。この流れが滝となっているのかと思うと少し心細い。本当にこの上流に滝があるのかと不安になるのである。

コンクリートの林道を歩く。少しきつい上りだが、山歩きを思えば、への河童である。

5分ほどで、瀑音が聞こえてくる。この下に滝があるのだ。例によって、川へ降りる場所がない。いずれも急傾斜ですんなりとは降りられないのだ。

滝の下流にコンクリートの砂防ダムがある。この斜面が比較的緩いので、ここを立木につかまりながら、慎重に降りる。岩の上を歩いて、上流を目指す。流木、倒木の中に、目指す滝があった。

人工的なごみはないが、流木、倒木がやたら多い。これでは滝の写真にはならない。案内してくれた川崎勝丸さんと川名正春さんが、ナタやカマを出して、せっせと枝を払う。川崎さんは斜面によじ登って、枝を払う。悪戦苦闘しながら、のたくる枝を払って、ようやく滝の姿が見えてきた。

仲根の滝の上流部分

2段に落ちる名瀑で、高さは15b、幅は5bほどか。2条の流れは中段の滝つぼに落ちて、その後また2条に分かれて岩をなめるように落ちていく。中段の滝つぼはそれなりに大きく、下段には滝つぼがない。もともと水量の少ない川なのだ。水は少ないが美しい滝である。緑の苔むす岩に白い流れが映える。倒木の多さを差し引いても、遜色のない美滝であろう。

滝下からの撮影を終え、コンクリート道に上る。川に沿って道を上がると、滝の上段に出た。ここから中段の滝つぼが見える。川は岩に沿って落下し、倒木の林に消えていく。木を整理すれば、東条の名瀑として売り出せるだろう。

大汗をかいて、視線を上げる。遠くに太平洋が見えた。素晴らしい眺めである。

【写真説明】倒木は多いが美しい姿の仲根の滝=鴨川市西町

【写真説明】仲根の滝の上流部分=同

11年2月5日 7,573
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