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雄大に落ちる東股の滝

[第40回] 袋倉川東股の滝(鴨川市東町)

最上流に控える雄大滝

承前。袋倉川東股の最上流に、雄大な滝がある。しかも無名。これを見なくては、滝見ニスト失格だ。上流を目指して、林道浜荻線を歩く。

さんさの滝からさらに進むと、林道は突如ふさがれる。崩落の土砂が道に広がっていた。この土砂の上を歩いて、滝見隊はさらに進む。

林道の上り勾配がきつくなり、沢がトンネルで林道をくぐり、さらに右に曲がろうとする手前に、目指す滝があった。比較的大きな滝で、林道の上からでも良く確認できる。滝音も大きいから、さんさの滝よりも検索は簡単だった。

林道法面から緩やかになった場所を川へ降りる。浅くて大きめな釜があって、ここで沢筋が曲がっている。滝は釜のすぐ上に、竜がのたくったように5段で落ちている。

1か月以上、雨らしい雨がないときの取材だったが、この水量はどうだ。清澄山系からの絞り水だろうが、袋倉川東股の最上流部だというのに、豊富な水量である。

滝は左岸から右岸に目がけて流れ、中ほどでまとまり、さらに左岸へ流れる。傾斜を滑るように落ちて、最下流の釜へと続く。岩の造形美がさらに流れを美しくしている。

これだけの美滝なのに、名前がないという。取材日、林道は崩落状態だったが、通れるようになれば、比較的安全に見られる滝だ。無名で人知れずでは、あんまりである。ぜひ、ハイキングがてら見てほしい滝である。

火葬場から先は、建物もない。滝音と野鳥の声が響くだけの、清らかな流れ。こんな場所が房州にもあることをうれしく思う。

上流から見る東股の滝

袋倉川水系は大小たくさんの滝を含有し、太平洋へ注ぐ。本連載では、イゴベエ、ヒッコシ、ネコ、大津、クモ、さんさ、東股と7つの滝を紹介した。接近危険滝がほとんどだが、美滝ぞろいだ。まだまだ知られていない滝もあると思う。また名称に異論があるかも知れない。その辺で詳しい地元情報あれば、本紙編集部・忍足へ知らせてほしいとお願いする次第である。

【写真説明】雄大に落ちる東股の滝=鴨川市東町

【写真説明】上流から見る東股の滝=同

11年3月26日 7,770
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