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下段の流れのアップ

[第45回] 観音滝 (かんのんたき 鴨川市清澄)

一枚岩が特徴的な滝

鴨川は滝の宝庫である。天津小湊町との合併後は、清澄地区も鴨川だから、滝の存在数はさらにパワーアップしている。深い清澄の山地には、美しく豪快な滝がいくつも存在している。

観音滝は、天津地区の太平洋に注ぐ二タ間(ふたま)川の中流域にある。冒頭断っておくが、ここは東大演習林内。立ち入りは許可制である。しかもヤマビルの宝庫なので、冬季以外は立ち寄らないほうが無難だ。

二タ間川は、県内屈指の清流。清澄寺のある妙見山に源を発し、天津地区を流れて、河口付近で袋倉川と合流して、太平洋に注ぐ。袋倉川と同じく、いくつもの滝を含有するのである。

鴨川市天津地区から二タ間川沿いに、坂本浄水場を目指すようにして山に入る。川沿いの道を右に入ると、木製の橋が架かる。しばらく歩くと、東大演習林のゲートがある。立ち入るには許可が必要だ。

本沢林道沿いにかなりの無名滝が落ちていく。やがて赤いプラ杭が出る。演習林の「Tライン」である。

林道は二タ間川沿いにあり、やがて素掘りのトンネルになる。この先左に上水道のダムがある。さらに進むと、眼下の樹木の間に豪快な流れが見える。これが観音滝である。滝下へ降りる道はないので、ここから眺めるのがいいだろう。それなりの美しさだが、滝見隊は道なき道を降りた。危険承知の自己責任である。

滝は二タ間川の支流に位置する。合流点の上流に出て、大きな石の上を慎重に歩いて、滝下に出る。

2段になって豪快に落ちる観音滝

高さは20bほどか。大きな一枚岩が特徴的で、滝は2段になって落ちる。上段は細い幅で垂直に落ちる。いったん中段の滝つぼになって、ここから下段の広い滝になる。この下段が豪快で、目の前をしぶきが末広がりのように落下していく。下段の高さは6bほどか。幅も広く、滝としての様式美を備えている。

ホームページ上でもおなじみの旧天津小湊を代表する滝だが、滝下に降りる道がないことから、接近困難滝ともされる。そのうえ、ヤマビルがいて初夏から晩秋にかけては、ハイカーを吸血の惨事が襲う。東大演習林内という位置的条件も加わり、接近できない条件が3つも重なる。それゆえ、この滝が手付かずのままで残されているのだろう。

滝は見たし、流血は避けたし、である。

土地の古老によれば、滝名は清澄寺の観音様にまつわる命名ではないかという。

立ち入る場合は、東大千葉演習林(04―7094―0621)へ問い合わせを。

【写真説明】2段になって豪快に落ちる観音滝=鴨川市清澄

【写真説明】下段の流れのアップ=同

11年4月30日 26,627
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