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俯瞰で眺めた稚児の滝

[第46回] 稚児の滝 (ちごのたき} 鴨川市清澄

垂直落下する豪快滝

観音滝の上流100bに位置する美滝。観音滝が二タ間川の支流からの流れ込みなのに対し、稚児の滝は本流の流れである。華厳の滝のように垂直に落下する豪快な滝で、取材日も見事な流れだった。観音滝と同様、東大演習林内の立ち入り許可制で、ヤマビルがいる接近困難滝であることは変わりない。

川沿いの林道を歩くと「粟ヶ沢歩道」という小さな標識がある。ここが滝上である。粟ヶ沢歩道は、演習林内の旧街道で、ここを歩くと七曲経由で、清澄寺の仏舎利塔へ出る。歩道という表記だが、非常に危険な道で、ベテランでなければ歩けないほどだ。もちろんここも許可制である。

立木につかまりながら、慎重に川へ降りる。川崎勝丸さんがザイルを川に渡す。これを手繰らなければ危険ということだ。ザイルを頼りに対岸に渡る。さらに慎重な足取りで、右岸を高巻きするように登る。大きな岩を回って、滝下に降りていく。非常に困難なルートである。

高さ10bほどの滝を眺める。主滝は太く、その右手に細い流れがある。上水道のパイプがあって、少々景観を邪魔している。水道は人の営みゆえ、仕方のないことだ。

滝つぼは大きく円形である。かなり深そうだ。川崎さんが、さらに上に上る道があるというので、慎重に足を運ぶ。

滝下から眺める稚児の滝

ここから稚児の滝を眺めると、全体が俯瞰で見える。滝は川からこの場所で垂直落下し、大きな滝つぼを形づくる。

下流の観音滝と合わせれば、稚児&観音である。

慎重な足取りで、来た道を戻る。ザイルを頼りに林道へ上がった。林道からでも滝は楽しめる。上から眺めるのが正解だろう。

土地の古老によれば、この粟ヶ沢から清澄寺へ続く道が、かつては表参道だったという。稚児は幼子全般の意で、その昔、清澄寺へ参る稚児が、この滝に落ちてしまったという。悲しい話だが、そこから稚児の滝という名になったという。

林道に立ち入る場合は、東大千葉演習林(04―7094―0621)へ問い合わせを。

【写真説明】俯瞰で眺めた稚児の滝=鴨川市清澄

【写真説明】滝下から眺める稚児の滝=同

11年5月7日 26,460
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