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ずらりと並ぶ鯨塚=鋸南町竜島飛地

[第5回]鯨塚から

この辺の小字を「板井ヶ谷」といい、この一角を鯨塚という。鯨塚はクジラの墓ではなく供養碑である。1年に1基、碑を立てクジラ漁の大漁を祈念していく。碑は全部で120基ほどあったといい、52基が現存する。これだけで醍醐新兵衛の捕鯨は120年続いていたことの証明である。

山裾を回って東へ進むと、正面に「和食処 蔵」がある。蔵を改造した店で、雰囲気もいい。

左手に水田、右手に小山を見ながら、アスファルト道を歩く。この辺の小字が「堤ヶ谷」で、堰堤の坂を上ると農業用堰の「堤ヶ谷堰」が広がる。小さいながらもしっかりと管理された堰である。

一対の狛犬のある神社=同

堰の近くには鋸南地区環境衛生組合の堤ヶ谷クリーンセンターがあり、ダンプカーも含めてクルマの台数が多い。この道を横切り、そのまままっすぐな農道を歩く。

行く手正面に、双耳峰が美しい富山が座る。農道の北側には国道127号が走り、大型車も行き交うが、ここまでは騒音も届かない。路傍にはヒガンバナが咲き始め、のどかな農村風景である。

ここで、ちょうど午前11時となった。保田駅を出発して2時間半だが、まだ鋸南町から出ていない。農道を歩いて東へ向う。右手に持福寺、廟神雁神社と見て、さらに歩くと、道は国道に合流する。国道を横切ると、すぐにJR線がある。市部瀬踏切である。

大歩行は鋸南―旧富山―旧富浦―館山と続くのだが、まだスタートの地である。

(つづく)

満々と水をたたえる堤ヶ谷堰=同町下佐久間

【写真説明】ずらりと並ぶ鯨塚=鋸南町竜島飛地

【写真説明】一対の狛犬のある神社=同

【写真説明】満々と水をたたえる堤ヶ谷堰=同町下佐久間

09年10月4日 23,914
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