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四郎治下の林道へ出る

[第11回]郷台林道へ

郷台林道から御殿を眺める

東大演習林の中を許可をもらって歩く旅も、ここからはいささかつまらなくなる。管理が厳しい演習林のため轍(わだち)の跡こそないが、幅の広い林道を歩くからだ。さっきまでのルンルン気分は消え、うつむき気味にダストの敷かれた道を歩く。

ここから南へ伸びる林道はBラインと呼ばれる。広大な演習林内には、いくつもの道があって、これを管理するためにプラスチック杭が打たれている。100bほどの間隔で、着色の杭があるので、これにしたがって歩けば、安全に目的地へ着く。管理された森とはこういうものなのだ。

Bの杭を見ながら、林道を下る。四郎治から20分ほどで郷台林道へ出る。一部コンクリートの林道だが、管理用ゲートがあるので、一般の車両は入れない。ハイカーが安心して歩ける道である。

遠くに妙見山(清澄山)を見ながら、林道ハイクとなる。とはいえ、朝からもう5時間も歩いているのだ。いささか疲れ気味である。

郷台林道の管理用ゲート

やがて林道正面に厳重なゲートが出る。施錠されているが、ハイカーはパイプのすき間から抜けられる。こちらは許可証を持参の上での歩行だから、やましいことはないが……。

林道からは西側、南側の房州の峰々が良く見渡せる。安房の東部に位置する林道だ。ここから西の御殿山まで、ばっちりと視界が利く。疲れた脚も、この眺めで癒される。

が、これから数日かけて、あの御殿の尾根まで歩くのだ。分水嶺の旅は意外に長い。

本日のルートも間もなくゴール。だが、ここで迷い道をして時間をロスする。

郷台林道から沢へ降り、キンダン川の沢を越え、四方木へ出ようという作戦だが、支尾根がいくつもあって、川崎さんですら分からない。ほとんど人の立ち入らない沢なのだ。これまでのルートのような標識はもちろんなく、ビニールテープすら巻かれていない。尾根を降り、沢を目指すがどうしても道が見つからない。大ベテラン・川崎さんも諦め、元の郷台林道へ戻る。ここで35分のロス。

(つづく)

【写真説明】四郎治下の林道へ出る

【写真説明】郷台林道の管理用ゲート

10年4月12日 8,276
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