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和泉地区生活環境保全林の案内看板

[第13回]A6へ上がる

保台ダムから3日目突入

壮大な尾根歩きも、これが3日目。鴨川・君津市境の尾根は複雑に入り組んでいて、ベテランの案内でも2回ほど迷った。複雑な尾根を迷い込み、ほうほうの体で下山したほどだ。読者の皆さんも、その点を十分お含みおきのうえ、読み進めていただければありがたい。

前回が東大演習林内を縦走し、四方木に降りているので、3日目は演習林の縁まで出なければならない。一部区間をスルーして済ませる手もあるが、分水嶺歩き隊は、厳格なのである。1bとてズルは許されない。

そんな状況で、3日目は鴨川市和泉の保台ダムから郡界尾根に上がり、鴨川有料道路までの尾根を歩こうという作戦である。いつものように、スタート地点とゴール予定地点にクルマを置き、尾根歩きがスタートした。

保台ダムは、平成16年に完成したダムで、東条地区の県営かんがい排水事業と、鴨川市水道の水源となる多目的ダムである。ダム湖畔の駐車場から、ダム湖奥に向かって歩く。ダムは待崎川上流を堰き止めた構造で、いくつもの支流がある。ダム湖はここから奥へ伸びる。

小さな沢を慎重に渡る

遠沢橋を渡ると、林道の分岐。そのまま直進すると、鳴子橋に。ここが鳴子沢という支流である。ダム湖を一周するように道路があるので、ここを歩けば気軽なハイキングとなるだろう。きょうは尾根へ向かって直進する。

このあたりは、ヒルが生息する場である。4月を過ぎると被害があるので、十分気をつけたい。

林道をしばらく歩くと、左手に大きな看板が出る。「鴨川市和泉地区生活環境保全林」の案内である。県南部林業事務所が掲示した大看板で、大周遊コースなど、複数のコースが設定されている。周辺の林地は「和泉入会山林集合共有林」であり、その点も十分理解して歩いた。分水嶺歩き隊は、この設定コースを歩かず、郡界尾根への支尾根を目指す。

いくつかの小さな渓谷を渡河し、そのまま進むと「第二サクラ園」の看板。この中を歩いて直登のように急勾配を登る。「サザンカ園」への分岐標識が出るが、その先に道がない。ここで川崎勝丸さんが道を探すが、ない。30分ほどロスして、元の道へ戻る。渓谷の上へ出て、「木の実広場」まで戻る。

枯れ野の風情たっぷりの木の実広場の中を歩いて、林道を奥へ進む。これが正しいルートだった。

小さな滝や沢を越えると、やがて「サザンカ園」に至る。ここが目指すルートであった。さらに沢を渡河し、涸れ沢で小休止。このルートは、東条地区の人たちが、三石観音へ参る道であったという。

朝は雨だったが、このころになると木漏れ日が差し込む。暖かい南風が吹きぬける。

スタートから1時間50分でようやく支尾根へ出る。スダジイの原生林で、清々しい気が満ちている。

ルンルン気分で雲上の道のようなヤセ尾根を歩き、最後の急登をやり過ごすと、そこが郷台林道から元清澄へ伸びるAラインのA6ポイントだった。

すでに2時間20分が経過していた。

(つづく)

【写真説明ヨコ1段半】和泉地区生活環境保全林の案内看板

【写真説明ヨコ1段半】小さな沢を慎重に渡る

10年4月14日 6,986
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