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世にも珍しいほだ木の橋

[第17回]岩テラスへ

霜の朝 4日目スタート

分水嶺歩きも4日目。前回のルートミスを挽回、鴨川市の小町峰峠を目指す縦走となる。川崎勝丸さんもリベンジに燃えている。

その川崎さんが取ったルートは、君津市の鍋石から郡界尾根に入り、鴨川有料道路を越えて香木原峠経由で小町峰峠を目指すラインだった。香木原のゴルフ場を起点に時計回りに歩く楕円のコースである。尾根への取り付きや下りが長いが、分水嶺をたっぷり歩くコースである。

まだ霜が残る中、鴨川有料道路で鍋石を目指す。マイカーの運転席に示される外気温は、0度である。1月下旬の房総の朝だ。さすがに冷え込む。

鍋石の県道から山に取り付く。霜の降りた土の道をザックザックと踏みしめて歩く。杉林内には動物よけのゲートがあり、網の扉を開いて進む。イノシシ、シカなどの被害に悩まされているのだろう。きちんと扉を閉め、ひもを結わく。

このルートでは珍しい一枚岩の岩テラス

杉林を過ぎると、世にも珍しいほだ木の橋が出る。しいたけ栽培の使用済みほだ木をうまく並べ、橋になっている。その造形美が見事で、思わずシャッターを切った。

小さな沢を越えると、小さな堰になる。川の源流部を堰き止める構造だが、雨はなく、沢は涸れていた。この水は小櫃川となって東京湾に注ぐ。

杉山を過ぎると、尾根道になる。出発から35分ほどで、「鍋石」「元清澄」の標識が出る。郡界尾根につながる支尾根である。標識から15分で郡界尾根との合流点。前回はここで迷い、やむなく金山へ下りたのだ。50分ほどかけて、分水嶺に出たことになる。

ここからの尾根が複雑で、ルート取りが難しい。東京営林局の「山」石柱があるので、これが郡界であることが分かる。下りも上りも立木につかまる難ルート。紛らわしい支尾根に差しかかると、川崎さんが慎重にルートを選ぶ。前回の二の舞はすまい、そんな決意が伝わってくる。

露岩や木の根が出た尾根が続く。やがて大きな岩テラスに出る。2年前の「郡界尾根を往く」連載で、ここから北側を眺めたことを思い出す。このルートでは珍しい一枚岩だから、記憶に残るのだ。あの時は、西から東へ歩いたが、今回は東から西へ、である。方向が違うだけで、景色がまったく異なる。ベテラン・川崎さんでも迷う道なのだ。

(つづく)

【写真説明】世にも珍しいほだ木の橋

【写真説明】このルートでは珍しい一枚岩の岩テラス

10年4月19日 6,597
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