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東房子嶺のピークはスギ林の中

[第32回]大井峠へ

一望千里に7日目開始

分水嶺歩きも7日目。いよいよ嶺岡山系を離れ、房州の中心部へ突入する。雨模様の連続だったが、晴れ間を突いての山行である。

前回は二ツ山の西側の嶺岡苑で歩行を終えた。7日目はきっちり、この嶺岡苑からだ。

嶺岡苑は山系の北側にある、わが国有数の製缶会社であるヤスダファインテが、公園化した地だ。御殿山からの連山が眺められる絶景地で、アララギ派の歌人で同社の安田稔郎氏の歌碑がある。この東西に伸びる尾根を「嶺岡三郡山」と呼ぶ。旧長狭郡、平郡、朝夷郡の3郡の境であることからだ。

この階段を上って、これから歩く予定の連山を眺める。ああ、御殿山遥かなり、だ。

嶺岡中央林道から、蛇かごが積まれた法面から尾根に入る。いつものことだが、山道の入り口などなく、無理やり山に分け入る形である。7日目の開始地点もやぶこぎでスタートかと思いきや、あにはからんや、すぐに歩きやすい道になった。緩く下る道となり、右手にはコスモクラッシッククラブの枯れ芝が見える。ゴルフ場の東側を南下する尾根である。

開けた住宅地から御殿山を眺める

林道から10分ほどで、平らなピークとなる。周囲にスギが植えられ、眺望はない。ここが標高276bの東房子嶺(とうぼしれい)である。このピークの南西側にある東星田(とうぼしだ)にちなんだ名であろう。

ここから御殿山、鷹取山までの尾根は、旧富山町と旧丸山町の境である。ルート上には境界杭があるうえ、尾根がしっかりしているから、迷うことはないだろう。ごく最近、誰かが枝を払ってくれている。国土調査の仕事だろうか。この日は実に歩きやすかった。

古道然としたフラットな歩きやすい道が続く。前回のウルトラロングとはまた違う、味わい深い道である。

「丸山国調」のプラスチック杭に導かれながら、高度を下げていく。やがて左右にログハウスが出る。人の気配はない。別荘だろうか。左手に高鶴山、経塚山を見て、高度を下げていくと、開けた住宅地となって、この場所からの眺めが素晴らしい。御殿山、富山、伊予ヶ岳の「とみやま三山」が一望千里。この三山を一度に眺められる場所は少ないだろう。ここに住んでいる人は毎日この絶景を楽しんでいるのだ。

この絶景からコンクリート坂を下る。やがて県道丸山富山線の大井峠に出る。合併前はここに町名表示の看板があった。大型ダンプが行き交う。大きな通りである。

(つづく)

【写真説明】東房子嶺のピークはスギ林の中

【写真説明】開けた住宅地から御殿山を眺める

10年5月7日 8,392
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