企画・エッセイ » 記事詳細
立て直した鷹取山の浅間大神の石

[第34回]長沢三角点へ

鷹取ピークで新事実

名物のツバキのトンネル内の階段を下っていく。急な下りなので、慎重に歩を進める。

下った後は、この尾根名物の急な上りである。あえぎながらも、一歩ずつ歩を進める。御殿ピークから20分で鷹取山の広いピークになる。このピークの石宮については、現地の表示が「水分神」となっていて、記者(忍足)も過去に何度かそのことを書いている。尾根の地形からして、こここそが「水」が「分」かつ「神」であると思っていた。

今回、この円錐状の倒れた石宮を直そうということになって、男4人で大きな石を動かしてみた。西側に寝てしまった石を垂直に起こすと、彫られた文字がちゃんと読めるように。そこには「ヤマ水」マークがあり、その下に「浅間大神」と彫ってある。つまりはヤマ水講の浅間大社の碑だったのである。側面には「明治十四年 山田村」の文字。明治に流行したヤマ水講の浅間信仰の対象だったのだ。石はふもとの山田地区に向けて立てられている。山田村の信仰の対象物である。

やぶの中の長沢四等三角点

倒れた石面に浮かぶ文字から「水分神」と読んだのだろう。水を分ける神ならば、分水嶺に相応しいと思ってこの地を踏んだが、思わぬ発見に違った感動が襲う。山の仲間たちは、あちこちで崩れたり落ちたりした石宮を復元している。地元の信仰は消えても、山仲間が継承していく。素晴らしいことである。

立て直した浅間大神前で記念撮影し、西側の尾根へ下る。南下すれば宝篋山経由で大日山だが、今回は林道を経由して長沢三角点に向かうのだ。

急な下りを慎重に降りる。一部はロープが張ってあるので、これを頼りに下っていく。5分ほどで林道増間支線(通称・大沢林道)に出る。雨上がりでクルマの轍(わだち)もしっかり残る。

南側が開けた林道で、これから行く鹿島山の雄大な姿が見える。左には木が切られて特徴的な山名金比羅山が見える。ああ遥かなり、分水嶺。

林道はやがてコンクリートとなり、だらだらと上っていく。このまままっすぐ進めば、余蔵山の麓を通って、犬掛に出る道である。林道の中ほどで、小休止する。午後1時35分。きょうはハイピッチだ。

小休止で英気を養い、いざやぶへ。

スギの林の中に歩きやすい道があって、ここを南下していく。途中、立木の切れ間から鷹取山と宝篋山が見える。林道から20分ほどで、長沢の四等三角点に出合う。新しく設置された三角点で、標高は270・6b。やぶの中にひっそりとたたずむ。他には何もない。

(つづく)

【写真説明】立て直した鷹取山の浅間大神の石

【写真説明】やぶの中の長沢四等三角点

10年5月10日 7,548
Copyright (C) 2007 Bonichi. All Rights Reserved