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ひどい倒竹をくぐって先へ進む

[第38回]三峰山へ

尾根に続く歴史の薫り

天気も回復し、出発。やぶを抜け、コンクリート道に出る。電柱に「宮下」とあるので、旧丸山町エリアである。倒竹のひどい道を竹をくぐりながら歩く。人は歩いているようだが、竹を取り除く人がいないので、実に歩きにくい。

民家を右に見て、道なりに進み、竹やぶを抜けるとそこが房央三郡山(標高216・4b)。四等三角点峰で正式名は「狢坂」。平郡増間村、朝夷郡丸村、安房郡山名村の3郡の境という意だ。由緒正しき郡境だが、現地はひどい竹やぶで、眺望はもちろん、歩く道もないに等しい。

この先も両側まで竹が生い茂る道で、途中に数珠を持った地蔵が鎮座する。いまにも竹に負けそうだ。竹林を抜けるとようやく農地になる。そのまま農道を通り、またも山道に。

上って下りて、コンクリ道に出る。これは林道山名線。しばらく歩いて、竹やぶから無理やり山に入る。とにかく尾根に出なければ、分水嶺歩きにはならないのだ。

二等三角点の三峰山ピーク

20分ほど歩くと、尾根筋の歩きやすい道になる。大きなマテバシイ林で小休止。この先に自然石でできた石宮のピークがある。「浅間大菩薩」と彫られ、「安政二年乙卯六月吉日」の文字も読める。つまり西暦1855年の6月にこの下の集落が浅間信仰で建立したものだろう。

比較的広い尾根で、下りる先が難しい。地図を見ながら東に進路を取って、竹やぶを抜けていく。イノシシの足跡の目立つ畑跡を過ぎると、またも山になる。この辺で「ゴー」というクルマの音が聞こえてくる。

ここを過ぎた先の尾根が、三山トンネルの真上となる。三芳地区の山名と丸山地区の丸本郷を結ぶ市道である。

丸郷神社の上を過ぎると、トタン屋根の乗った小さな石宮が出る。すぐその先にも宮群があって、そのうちのひとつはヤマに五弁の桜マークの下に「富士大神」とある。これも富士講の石宮だが、もう誰も参拝していない。

尾根は旧三芳・丸山の境で、「国調丸山」のプラスチック杭に導かれるように歩く。南房総市が国道調査をした際、この周辺に図根点を置いた。GPS測量をする際の基準点のようなものである。もう数年経つのだろう。伐採した跡地はカラスザンショウが密生していて、鋭いとげが人の行き来を妨げる。

この図根点ピークを迂回して尾根を進む。十三塚の看板を過ぎると、高井ヶ谷の砲台跡につながっていたという竪穴が出る。房総半島に残る戦争遺跡のひとつである。

四角い穴を過ぎると、二等三角点峰の三峰山(標高123・1b)。ここまでで、本日のルートの3分の2が終わる。

(つづく)

【写真説明】ひどい倒竹をくぐって先へ進む

【写真説明】二等三角点の三峰山ピーク

10年5月14日 8,242
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